2024年1月23日火曜日

元旦の能登地震から3週間メディアの酷い報道を憂える。 For three weeks after the Noto earthquake on New Year's Day, I was worried about the terrible media coverage.

  今日は平日だが、能登地震から3週間でメディアの酷さが目に余るので緊急投稿!

 元旦の夕方、あの阪神淡路大震災よりもマグニチュードの大きな地震が能登半島一帯を襲った。震度7の本震が二度もあった熊本地震(マグニチュード7.3)の3倍にあたるマグニチュード7.6(マグニチュード数値の表す地震の規模は10進法ではない)の巨大地震だった。

 阪神淡路、東日本大震災ではあまりのショックに「歌舞音曲中止」「九州新幹線開通式典中止」など日本全土を挙げて他のニュースは殆ど流れないという極限状況だった。

 特に3.11東日本大震災時は福島原発ダウン、東京も順繰りの計画停電で、遠隔地に居ながら余震におびえながら、一部ほぼ現地と同じ電力ストップの暗闇体験をしたものだ。

 しかし、今回の能登地震は被害全容が3週間経っても未だに判らないにもかかわらず、「孤立ヶ所ほぼ無くなった」などと、現場が相当回復しつつあるような噓を平気で発表する元プロレスラー上がりの知事が居たりで、どうも報道面がデタラメの体を表している様な気がする。

 地震から三日後辺りに、筆者は今回の地形的惨状・交通機関全滅状況から全国のキャンピングカーを借り上げ総動員して修羅場に強い自衛隊員以外の慣れない救護班やレスキュー隊のメンバーを寝泊まりさせては?とか、港が使えないので沖に飛鳥Ⅱの様な外洋クルーズ船をチャーターして、関係者や孤立避難民を運んで助けたら?と思ったところだった。

 昨朝、仕事中のデスクの後ろで流れているテレ朝の「大下容子ワイドスクランブル」の音声だけを聴いていたら、俳優の杉良太郎さんが自前のキャンピングカー、キッチンカー計3台で災害現地に赴き、炊き出しを行っているというニュースを流していた。素晴らしい事だと思った。 

 この件は産経のネット記事でも出ている。

 https://www.sankei.com/article/20240122-FBQDUKSNPZKEDJYG2VFT74CSWM/

 で、この様子を報じているテレ朝の番組「大下容子ワイドスクランブル」の場面で、記者なりインタビューアーが放った一言に呆れてしまった。炊き出しをしている杉良太郎さんに向かってなんと「売名ですか?」と訊いたのだ!

 なんでそんな事をインタビューアが訊くのか驚いてネットで調べたら・・・。

 検索結果を見ると、杉さんは今まで何か大きな災害があるとボランティアで色々参加したり、刑務所や少年院で更生する人たちへの援助を続けてきている事へ「売名行為」というレッテルを張るネット投稿があるらしいことが判った。

 すでに相当名が売れて、有名人になっている杉良太郎氏が「売名行為」をする必要などまったくないのが判らないネット攻撃者の頭の悪さを呆れるだけなのだが、ネット投稿攻撃者たちの品の無さ、無知さがあぶり出される気がした。

 かの大谷翔平選手とドジャース、あるいはX-JAPANのYOSHIKI氏が相当な額の義援金を寄付した際には「売名行為だろ?」などとは投稿しない(できない)くせに、恥ずかしいにもほどが在ろう。

 今回の杉良太郎氏への「売名ですか?」はこうしたネット投稿者ではなく、ちゃんとした地上波のTVのレポーターの様だから呆れてしまった。酷すぎると思わないだろうか?

 普段メディア・マスコミがちょっとした指摘や非難めいた言い回しを取り上げて「虐待だ!イジメだ差別だ!」とヒステリックに指摘し報ずるより酷いイジメを自分たち自身がやっているという事だ。

 あんまりだという事でTwitter(=X)に投稿したほど。

俳優で歌手で・・多彩な活動をしている芸能人だが篤志家としても有名。

 こうした大災害の時はいろいろ混乱が起きる。

 今回気温が相当低い冬のど真ん中、寒いという事でシュラフ(=寝袋)を1,000個以上寄付している登山家で篤志家の野口健さん。

 彼も熊本地震の際に軽量テントを数百張り寄付し、ボランティアの人たち学生たちと一緒に広場に張り始めたところ、昼食休憩している姿を咎められ、自分の車で寝泊まりしている地元のオヤジから「なんばしよーとか、はよ張らんか、コラ!」と心無い言われ方をした。

 これに怒ると同時にやる気を失ったボランティアたち、テント半分を残して総員引き上げたという酷い事件が起こった。

 一方で、地元出身の芸能人たちが寄付行為やボランティア行為を始めた途端、地元民の一部からネットで「売名行為だろ!」と中傷する動きが始まった。これらは熊本という被害者意識の強い特殊な土地柄の被災者だった(在京メディアの解説による)からの事らしいが、今回の輪島中心の大地震では地元の人々ではなくメディア、マスコミ自体が心無い行い(=報道)をしている様だ。

 個人的な話になるが、人吉のヤマセミ観察で年に5~6回熊本を訪問していた当時2016年頃の話。地元の方(野鳥観察の大先輩)の勧めで全国規模野鳥団体の熊本県支部に登録していた筆者。

 毎日野鳥団体のメンバーさんだけが見られるメーリングリストでこの野鳥ブログの更新告知をしていた。「今日のブログ内容は~~です。」の一言とURLを告知しただけなのだが、ある被災者から「こんな非常時に、我が家は相当な被害を受けている、辛い被災した者をしり目に楽しそうなブログの告知などすな!」と公開抗議されてしまった。

 筆者のこのブログを長い事楽しみにしてきた方々約50名近くから「何をクレームしているんだ?TVと同じだろ?ブログ見たくなきゃ見なきゃいいだけ、楽しみにしている人もいる、元気づけられる人もいる」と、応援メールも頂いたが、あまりの言われように嫌気がさしメーリングリストに掲載もやめたし、誘ってくださった恩人には詫びを入れてその熊本の野鳥団体も脱会した。

 しかし応援してくださった数十名の方々とは未だに年賀状のやり取りをしている。
 東京と違って「被害者意識」が異常に強い方も居る所だなあと思い、メディアの解説に思わず納得したのを想い出した。


一方で、今回の混乱ではこういう事もあった。


 自動販売機の飲料を急遽被災者に分け与えた行為を「火事場泥棒」的な報道をしたメディアがあった。自販機の飲料販売会社3社のうち1社、コカ・コーラ社が被害届を出すという事だ。

 しかし、筆者は思うのだ。

 こういった記事は現場で元旦の地震に当日遭遇していないからこそ書ける善悪が判らない記者の報ずる酷い記事。
 このメディア担当者は当日現場にいたはずもないが、真冬に断水・停電など滅茶苦茶になった被災地の自販機に温かい飲み物がある、しかし停電でどんどん温まった飲み物は冷えてしまう。

 目の前に押しつぶされて死にそうな人が居る。断水しているし停電もしている、暖かい飲み物を必要とする瀕死の怪我人がいる・・。この状態でマスコミ・メディアは「其処に居るはずもない自販機操作許可権限を持っている人」を探せというのか?許可権限やカギを持っている人が不幸にもすでに亡くなっていたらどうする?
 記事にもある通り「1日の夕方以降、校内に多くの住民らが自主的に避難してきていたが、複数の学校関係者の話では、校長や事務長などの責任者は不在だった。取材に対し、校長は「学校として自販機を壊す許可は出していなかった」としているが、校長や事務長以外の関係者は一人もいなかったのか?もし居たのならその関係者達は何をしていたのか?そこまで取材・調査して報ずるべきではないのか?

 最近のメディア・マスコミは針小棒大に事件性を作り上げようとしている気がする、でっち上げとは言わないが「大変だ大変だ!」の演出が過ぎると言いたい・・。
 地震発生直後の話だ。非常時に起きた緊急対応を「何者かが・・」と、まるで火事場ドロボーのような書き方をする嫌らしいメディア。
 大体、一部の自販機が緊急災害に鍵で開けられることを知っていたろうか?そのカギが何処にあるか?誰が持っているか?探せたろうか?あまりに修羅場を知らないマスコミの酷い記事だと思う。
 コカ・コーラのあまりに現場を知らない無慈悲な対応、筆者は企業エゴの一つだと思う。

 メディアも何故日本には飲料自販機という便利なモノがあって、こうした災害時には被災者の救いになる・・と報じないのだ?海外にはまず無いモノだろうに、温かい飲料が被災者のすぐ傍にあるなんて・・。

 飲料メーカー「コカコーラ」もいくら経理上の理由からとはいえ被害届を出すなど情けなさすぎる。むしろ社員を派遣して全ての暖かい飲料・水を無償で被災者に配るくらいの社会貢献ができないものか?銭ゲバと言われても仕方あるまい。

 実は、今朝になって「破壊者、火事場ドロボー」的に報じられた地元の被災者が電話をかけて名乗り出てきたという。
 「罰するつもりはない」・・・当たり前だろう?何を上から目線でコメントしているのだ?わざわざこういった記事が出るというのは、報道自体悪者扱いしたのはまずかったと後ろめたさがあるのと同時に、誤解を招くためのモノだろうか?普通はこういった後追い記事は掲載しない。

 今回の行為は火事場ドロボーが「ドサクサに乗じて盗って逃げる」とは全然違う行為であることの証拠だろう。

 メディアは被災者が非常時にとっさの行動をとった今回の事象を「悪い事・盗人」のように報じたが、あくまで地震発生1~2時以内の状況で、他に飲料や暖かいものがない中、被災者に分け与えた行為を「知恵を働かせ、人を救った行為」と何故解釈できないのだろう?

 報じたメディアの記者自身が現場に居たらどうしたのだ?責任者を探して鍵を探して許可を取って開けたのか?貰った暖かい飲み物を飲んで生き延び助かった方も居るかもしれないではないか?最後の一滴になった方も居るかもしれない、修羅場、現場の状況を知らないメディアはもう少し考えて報道すべきだと思う。こういう記事で良いか否か判断するデスクの質が酷いのかもしれない。

 身銭を切って炊き出しをしたり、シュラフを配る人々が居る一方で、自販機壊して瀕死の被災者に温かい飲料を配った人を火事場ドロボーのように責め立てたコカコーラやメディア・マスコミ。

 今回の能登地震は、現場に近づきにくい点でマスメディアは「想像で記事を作り報じている」のではないだろうか?ちゃんと取材してから報するべきだと思うが如何だろう?