球磨川流域では1月にもウグイスのさえずりを聴けることがあるほど普段から温暖な気候なのだが、今年はもう完全に囀る声を土手のあちこちから聴けた。熊本地方気象台が今年のウグイスの初鳴きを2月21日としたようだが、球磨川流域では暮れの12月から聴けるので初鳴きは1月1日元旦だったかもしれない。
自分としての標準鳥ヤマセミの繁殖の兆しは、求愛給餌だったり、交尾の兆しだったりするのだが、今回1週間で人吉界隈のヤマセミ各ファミリーの動きがバラバラだったことを思うと個体差による繁殖時期の速い遅いがこれほど明らかに違う年も珍しいような気がした。
どのつがいが何処で今どのくらいの状態かを詳細にご紹介するわけにはいかないが、少なくとも人吉市界隈の5ファミリーの動向を撮影した画像でご紹介。
5ペアのファミリーとは球磨川本流の3家族と支流域の2家族。このなかで一番行動範囲が広く見えるのは本流のAファミリーでその行動範囲は本流域沿い2.5㎞に及ぶ。生息密度的に言うと全国的に見ても濃い人吉市界隈で、この球磨川沿いの行動範囲の広さは群を抜いているようだ。支流部などのヤマセミファミリーの行動範囲を地図上に落とし込んでみたが、同じく平均的に2㎞の範囲は動き回っているようだが、川に沿って2㎞の範囲を縄張りとするファミリーはそう多くない。
今回撮影できていないので証拠を上げられないが、目視で確認できたヤマセミファミリーは川辺川で2つがい(4羽で縄張り争い確認)、万江川下流部で1つがい(交尾を動画撮影)、胸川で2つがい(目視)、球磨川本流で3つがい(動画と静止画で撮影)、辻先生情報で山田川流域に1羽(情報)の計8ファミリーと単独1羽だった。
これが何を意味するかというと、支流部からの侵入者などと常に縄張り争いをして闘わねばならないという意味で、球磨川本流でいつも目が合う個体は体力的にも非常にタフなヤマセミだという事が言えると思っている。
まずは、ほぼ完全に筆者を認知していると思われる、そのタフなファミリーのヤマセミの現状からご紹介。このペアはもう何時営巣行動に入ってもおかしくないと思われる。画像からも、つがいの接近度が高まった状態にいると視て良い二羽。
2010年以来、二代目に成ったと思っていたが、条件さえよければヤマセミの寿命が14~5年あると事実(証拠データ在り)を知った今、このヤマセミは筆者が人吉に来て以来ずーっと認識しあっている個体(メス)だと確信している。
毎日ほぼ2㎞の彼女らの範囲で出逢う際には、こちらを見て確認する素振りが見える。
川中の岩に留まっていても、いつもシルバーのレンタカーの横に居るという筆者を認識しやすいのかもしれない。
その、タフなヤマセミファミリーは現在こういう状態になっている。2羽でいる時間が目撃したうちの60%以上になってきているので、繁殖は間違いないし近いと思われる。
行動もほぼ一緒だ。
採餌の際も
午後の羽根休めの際もこのでっぱり部分の隣どうして留まることが多い。
早朝の採餌の際は付かず離れずで行動する。
昨日、人吉最終日の朝8時ころの採餌シーン。その場で自分で食したので営巣行動には入っていないものと思われる。
残りの5ファミリーの状況は明日以降ご紹介の予定。