なんと、焼き物の図柄になっているヤマセミの足がまるで猛禽類そのものなのだ!これには目を疑ってしまった。九谷焼としても普段使う茶碗やお皿のような食器ではなく、一応名工による一点物のアート作品なのだ。ネット上のオークションでは十万円以上の評価を得ている人気の高い結構な作品なのだ。
筆者は審美眼に関しては全く個人の主観による好き嫌いで判断するので普通の人とは違うかもしれない。
いわゆる美術商・骨董美術売買の業界の常識や評価基準は何一つ知らない。
己が描いた絵(それがたとえ高く評価されても)を売買するという事に学生時代から違和感を覚えていたので、クラスメートが学生の身分で描いた絵が売れただの、売ったお金を貰えなかったなどという話を聴くのが信じられなかった。「絵」というモノへの意識が既に美術専攻の学生時代から千差万別だったのだと今になって判ったような気がした。
絵に対する話や、美術品を売買する話に関してはまた改めてこのブログで論ずるとして、今日のテーマ、「ヤマセミの足は非常に特殊な形をしている・・・。」に戻そう。
画像を見て頂ければ一発で理解頂けるが、結論から先に言うとヤマセミの足は「合趾足=ごうしそく」と言って、かかとの方の指がくっついていて人間の足のように成っている。決して大きな爪を持った猛禽類の足のようには成っていない。
http://www.yamasemi.org/report_chapter_2/pg23.html
動植物を描かせたら右に出るもののいないと言われるあの天才・伊藤若冲がヤマセミを描いたら、詳しく観察して合趾足を描き切ったことだろう。九谷焼の作家さん、よくヤマセミの足を観察して頂き、今後の作品に生かして頂きたいと思う。
筆者所有のヤマセミ作品
Googleフリー画像より いくら芸術作品だからデフォルメが許されると言っても「ウソ」はいけない。猛禽類のくちばしがまっすぐだったり、クロツラヘラサギのくちばしがサギのように鋭くとがっているのに等しいのではないだろうか?
では、今年筆者撮影のヤマセミの足をご紹介しよう。
正面から合趾足が撮れた画像はあまりない。
ヤマセミの足は「合趾足」である事、ご理解頂けただろうか?