来る前に色々頂いていたヤマセミの動静、状況を元にある支流の本流への合流ポイント(街中)を3日間早朝見張ったが、空振りだった。上流の雷雨のおかげで増水・濁りが続き、本流での採餌・活動が少なかったようだ。支流の打ち出しエリアでヤマセミの声だけ聴ける状況が3日間続いた。
残り2日間という事で、今朝は6時前からスタンバイ!
そうしたら、2組のファミリー(別々の展開)、合計7羽の飛翔・争い・チェイスを観察。思わぬビッグデーになった。人吉に通い始めて7年、ベスト3に入る成果だった。1525カットを撮影。フィルムの35mm時代ならパトローネが40個以上といった成果だ。
この2組のヤマセミ・ファミリーの争いはチョット質が違った。片方は子離れの為の幼鳥追放行動と思われた。もう一方は生まれて間もない幼鳥への飛翔訓練・危険対策の授業と見て取れた。地元漁師の島津さんのアドバイスだと二番子ではないかという。8月3日にわき腹の幼鳥斑(褐色部)がはっきりとした、飛翔もおぼつかない幼鳥が居るという事は生まれて1週間以内だろうと推察する。逆算すれば6月初旬の産卵という事になるが、人吉エリアでその他のヤマセミの巣立ちが5月20日頃だったことを考えれば、ヤマセミの二番子という話は十分に考えられる。
カワセミは元気な若い親の場合、年に3番子まで産むと言われているが、ヤマセミは年間一回しか繁殖が無いと思い込んでいたら、南九州では繁殖環境が良いのか二番子は有り得るとの事だった。なにせ年間を通して間近でヤマセミを見続けている川魚漁師さんの観察は、どのような鳥類学者でも反論の余地なしだろう。現場の生の観察に勝るものは無いと思う。
まずは、江戸に戻って大きな液晶モニターで精査しながら改めてブログアップを行う予定だが、とりあえずは撮り立てほやほやをご紹介!画像調整など出来ないので見苦しい部分は目をつぶってご覧いただければと思う。
単に、ヤマセミの写真を綺麗に撮影することを心掛けている方には、画面の中に3羽のヤマセミが映っていようがいまいが、その露出とピントに目が行くのだろうと思う。そういう見方をされる方々には筆者の記録画像は対象外だと思って頂きたい。
その生態の瞬間!二度とないシャッターチャンス、初めて視る生態の不思議、面白さの追求がこのヤマセミWEBブログなのだ。鋭い横からの朝陽の中での撮影は正直コントラストが強すぎて非常に難しい。そのあたりを差し引いてご覧いただければ嬉しい。
3羽仲良く並んで飛んでいる訳では無い。真ん中が幼鳥、先頭を行く母親を追いかけて餌をねだっている。一番後ろはその幼鳥を叱りつけようと追いかけてきた父親!
すぐ後ろに父親が迫ったのを知った瞬間、幼鳥は水中にダイブ!猛禽類やカラスの攻撃から逃れるための水遁の術を、何と親のスパルタ教育から逃れるために実践したのだ。
これはその上の画像のチェイスの前の伏線。母親と息子が猛烈なバトル!
餌をよこせと母親に猛烈アタックしている幼鳥オス(下)。
常に親鳥は幼鳥の上部後方の攻撃ポジションで教育を行う。
球磨川本流でしか見られない大回り滑空ターン!
こちら側の岸ギリギリを逃げまくる幼鳥オス、すぐ後ろに親鳥が迫っている。