惨劇直後の落胆振りは、対岸70mの距離に留まっている姿を観ていても、人間であるこちらも思わず慰めて声を掛けずには居られない状況だった。そのうち隣の縄張りで繁殖後の子育てをしている別のファミリーの様子を遠くから羨ましそうに観ている姿が2ヶ月ほど続いた。時々、その子育て中の親鳥から追い立てられる姿も記録してある。
その様子が変わったと言う連絡を受けたのが9月過ぎ。どうやら独りぼっちになった川辺川太郎をめぐって、今年生まれたメスの若鳥同志、あるいは母親とが連日争っているようだとの事。早速現場に観察に赴き、数日間観察を行い、再び今回12月その後の様子を観に行ったら、立派な嫁を従えた川辺川太郎が目の前を誇らしげに飛びまくってくれた。これらの過程は次回出版予定のヤマセミ生態写真集に収録掲載を予定している。
太郎が前を引っ張り、新しい伴侶が後から追う。
この場所は昨年以前から太郎の縄張りで、一人で守ってきた場所。
太郎自体はこちらを既に認識しているので、随分手前まで飛んでくる。
光線の具合で色が悪いが、飛び回る姿を縦方向から。
晴天時は空が写り込んで色が出ない。苦しい撮影だ。
10~11月はこのようにペアリングを確かめる様に仲が良い。時には確認の意味で、求愛給餌のようなことまで行うのがこの時期の特徴。