この「マウント」というのは「見えを張って相手よりも自分の方が優位だと見せつけるような言動」を示すものと言われている。良くゴリラなど類人猿が優位性を相手に示すために相手にまたがる行動をすること(=マウント行為)から来ている。
筆者はメディアがやたら物事を説明する際横文字を使い、「己の物知り、優位性」を表すこと自体がそもそもマウント行為だと思っている。これは広告代理店のマーケティング部員、官僚・政治家、テレビのコメンテーターなどが好んで使うのと同じ。
例えば、「マウント」という言葉を聞きなれない一般人が「えっ?それ何?」と訊いてくれば、その瞬間自分が優位に立ったと優越感を感じられるという事なのだろう。TVのコメンテーターや広告代理店社員、官僚・政治家・・といった相手を説得したい、論破したい、コンペに勝ちたい・・人種が良く使う手(戦術)だと筆者は認識している。
一時、何処かの都知事が使った「アウフヘーベン」などがその典型だろう。コロナ過にかこつけた「ワーケーション」だの「リモートワーク」などメディアは一時期バンバン新語を出してきた。これこそ「俺たちは進んでいるんだ!」を主張するマウント行為なのだが。
この手の人々を一瞬で黙らせるのは簡単。「横文字使わないと説明できないの?なぜこの説明にその横文字が必要なの?日本語にはそのマウントとかいう横文字に該当する言葉はないの?もしかして知らないの?」といえばぐうの音も出ないだろう。有効だと思う・
「知らない」という事を「恥じ」だと思うから、あるいは「恥じ」だと思わせようとするから「マウント」的行為に走るのだと思う。
マウントなどといわず「優位に立つ」あるいは「優越感を感じる」で良いではないか?この「優越感」に関してはずいぶん昔9年前このブログでも触れた。
今日のこのブログ内容とよく比較して頂けると嬉しい。
筆者はこの優越感を常に感じたがる人種を二つの分野で良く知っている。まずはメディア関係、特に雑誌編集者・TVメディアのディレクター、それに野鳥関連団体の所属員。
つい最近、秋田の長い付き合いの方から「比内鶏」を贈っていただいて正月の雑煮を作っていると書いたら、「比内鶏は天然記念物だから食べられない、比内地鶏だよね?」と多くの人が見るFacebook 上で元雑誌編集経験者に指摘された。これなども知識豊富を自認する雑誌編集者としてのマウント行為の一種だろう。
そもそも比内鶏を贈ってくださっている方に迷惑が掛かったり、投稿を観ている数多くのFB仲間から「えっ?シンジョーヤバいんじゃないの?」と言われても困るので、急いで指摘は間違いであることを証拠を添えてFacebook上で 説明した。
実は天然記念物の鳥でも食べられるものは幾つか在る。いずれも食用目的に飼育されてビジネスとなっている。筆者はもちろん贈り主から如何に貴重か説明を受けて知っているが、無知な雑誌元編集者が知らなかっただけなのだ。
Facebookの公私のけじめの使い方を間違えると、予期せぬ波紋が広がる。個々コミュニケーション可能なメッセンジャー併用の意味を理解しないまま使うと、しっぺ返しを食らう事になる。
烏骨鶏、軍鶏、比内鶏、これ以外にも天然記念物同士を掛け合わせて新しいブランド鶏も開発しているようだ。何も天然記念物だからと全てが絶対に「捕獲禁止・食用禁止」ではない、間違った知識でマウントされてはたまらない。
大体、国のシンボル国鳥である「雉・キジ」を食っているんだもの日本人は!天然記念物だって美味しければ繁殖飼育して食用にするさ・・。
人吉で民家に向かってホロ打ちの野生の雉、天然記念物ではないが「国鳥」
やますけ農園の烏骨鶏(天然記念物)
天然記念物 軍鶏 2002年沖縄で撮影
なにせ「天然記念物」に関する法律自体が非常にいい加減なものなのだ。ネットで調べたらこういった記事もあった。
「天然記念物って、なんだか変な文化財です。 存在中の現状の変更禁止となっていますが、ニワトリだったり柴犬だったり、人間の手が加わらなければ生きていけないものも指定されていますから。柴犬だって、捨てイヌになって保健所に引き取られたら殺処分です。天然記念物を殺したらいけないということになれば、保健所は処罰されなくてはいけませんが、そうはなっていません。 他にも、天然記念物自体は捕まえてはいけないけれど、天然記念物の生息地を破壊して絶滅させても処罰の対象にはなりません。」
そういう変てこりんなルールの下で、生半可な受け売り知識をもって公開の場で他人を諫めるのは、その瞬間は「優越感」を感じて気分いいだろうが、間違っていたことをばらされれば、本人の浅はかさを暴露するだけだろうと思う。自然保護団体の主張もこのあたりの混乱・いい加減な指定から来るものが多いと聞いた。
昨今のメディア人種の多くが「裏取り」をしないで報道するのはご存じの通りだ。新型コロナ過も多分にその傾向が多い。一種の業界病だとも思う。大見出しで間違い報道(=フェイクニュースともいう)をしておきながら、それが間違いとなっても一番小さいフォントサイズを隅の方で訂正お詫びするだけ。
狡い人間集団、狡い業界常識・価値観だからだろうか、ペーパーメディアが「新聞屋=ブンヤ」といわれ蔑まれるのも昔から変わらない所以がここにある。
もう一つは野鳥団体構成員の話。
これらの構成員の中にはごく少数だとは思うが、何か野鳥に関しての業界で自分が偉くなったように思いこんで、一般の野鳥ファン(構成員にも非構成員にも)に対して上から目線であれやこれや指示したり、指導したりする者が居るようだ。特に地方においてこの傾向が強いと聞く。
珍鳥、迷鳥が地元に来た際、「おらがエリアに来た野鳥を観察したり撮影する際はオラの言う事を聞け!」のノリで他県・遠方から来た観察者をあからさまに排除したりすると聞いた。筆者も数度そういう経験がある。
酷いケースでは他県ナンバーの車を追い返したりするとも聞く。
野鳥団体創設者はどう思っておられるだろう?
これなども優越感・縄張りを誇示するがためのマウント行為そのものだろう。アフリカのゴリラと何ら変わらない。筆者はこれが嫌で、数年前ある野鳥団体を脱退した。
正月3日になぜこんな話をするかというと、団塊世代・年老いてますます頑固になり、自己の正当性を誇示するため、優越感に浸りたいがためにマウント行動をしがちだという話を聞いたためにあえて正月にブログ化してみた。
筆者自身の反省と戒め「人の振り見て我が振り直せ!」の諺をかみしめながら、良い一年を送りたいと思ったから、あえて三が日のネタとして「マウント=優越感」を取り上げてみた。