計画運休の告知までは良かったが・・・。
前日も、今回の15号台風は相当強風が吹くと予想した「気象予報ビジネス会社」のアドバイスを取り入れた鉄道会社や航空会社は、早々と上陸前日の午後10時には運転を終了、翌日も台風通過後の始発から朝8時~10時頃まで始発を遅くすると告知していた。
これはTVなどでも繰り返し報道し、NHKその他主だったTV局も画面の上部と左を災害情報専用のスペースにして状況を流しっぱなしにした。
しかし、台風一過、晴れた翌日予め告知した朝8時なり10時の運転開始にスマホを見ながら集まった通勤通学客たちはターミナル駅に殺到。 倒木や飛んで来た看板やビニールで架線障害を起こした鉄道各社は事実上予定した時刻に運転を開始できないケースが多発した。
スマホSNSで同時に情報が大勢に流れる事で、この結果・・・。
結果、ターミナル駅は人で溢れ、大混乱になった。これは30年前だったらまず起こらなかっただろうと推察する。昔は時間前に行って先頭で乗ろう・・、あるいは指定席の無い時代映画館で良い席に座ろう、花火大会やお花見で良い席を取ろう、と「人より早く!」というせっかちなタイプの人間が必ず居た。そうかと思えば、「どこでも良いから乗れれば良い、花火や桜も空いた所で良いではないか?」という心の広い?スロースターターの人も数多くいた。人は千差万別という時代。
情報そのものも、四大媒体のテレビ、ラジオ、新聞、雑誌からそれぞれ個々に取り入れていた。何かあればテレビはテロップで臨時ニュースが流れ、ラジオも「臨時ニュースを申し上げます!臨時ニュースを申し上げます!ただいまゴジラが品川に・・!」と流す時代だった。新聞は「号外」で情報を流し、雑誌は一番最後に「臨時増刊号」を出した。
だから人々は、それぞれの好みで情報源をベースに「最新情報」を得て行動に移ったのだ。だから人々の行動にはタイムラグ・時差が在った。
つまり以前は人それぞれで、世の中のバランスが微妙に取られ、結果として人の塊は時差で意外とスムーズに流れていたように思う。しかし、現在ほとんどの人達がスマホを持ち、スマホなしでは生きていけない、筆者言う所の「スマホジャンキー」が増えた結果、「情報」がスマホを通じて均一に同時刻に流れるようになった。
断っておくが、筆者はスマホを決して敵視している訳ではない。ただ、スマホにすべてを集中(お財布・預金・決済、スイカ・定期、メルアド、SNS)活用することで便利をおう歌する一方、そのスマホが故障したり停電で使用不能状態になったり、あるいは盗難に遭って紛失した場合頼り過ぎている人の人生が終わってしまう事を、使用者が理解しているかどうかを憂いているのだ。既にそういう事で人生を終わりかけた人を2人知っているので危惧するのだ。
仕事で使うイラストアニメの原画をスマホで描いたり、大学のレポートをスタバやタリーズのテーブルでスマホ片手に書き上げ、そのまま教授に送ったりする若者をよく見て知っている。時代はスマホで大きく変わりつつある事をよく認識したうえでの話だ。
これらの日常変革により、スマホを見ながら行動する人の殆どは、同時刻に同方向へ動くようになってしまった。この集団行動には「人のやらない事をやる、人の取らない方法を取ってみる、人々の裏をかく・・・。」等というタイプの人が激減したのではないだろうか?
半年前、自転車で高速道路に入り込んで走り、道交法違反で逮捕されたバカな大学生が居た。高速に入った理由を訊いたら「スマホで最短経路を検索してその指示通りに走っただけ」と答えたという。この手の人間が潜在的に非常に多くなってきている事を筆者は憂いている。
筆者は都心に出る際などは、ほぼ常時ノートPCを背負って行動するので、手持ちの携帯電話に求める機能は、音声通話とショートメールだけだ。歩数計やカレンダー機能は時には活用するが、色々余計なアプリを入れて使用するスマホは全く不要だ。
常に先を読んで、予測をして、何に対処するにしてもプランA~Eくらいの選択方法を頭に入れて行動する癖が有るので、常時リアルタイムでスマホ情報をとりながら「その時点での判断」だけでは行動しないことにしている。
傍から見ていると、スマホに操られた人間の集団がマインドコントロールされたように動く様はどうも不気味でしょうがない。こういう人達は、今回の台風15号以上の混乱状況で電気が止まり、充電できず、電波も飛ばなくなった時、一体どういうサバイバル方法を取るのだろう?視てみたいものだ。
既に、香港の学生のデモ、韓国の反日デモなどもほとんどがスマホを通じて集まってくる人たちで行われている。国民性・民度の差を超えてスマホ情報・SNS情報で、地球上の人間の行動が今後もどんどん変わって行くのだろう。
香港の学生中心の大規模デモ。
韓国の反日デモ、実際は文在寅大統領への反対デモの方が大きい様なのだが。
情報はスマホで皆に均一で同時に届く。人々はそれを受けて自分で何を判断し、どのような行動をとるかの段階で、「俺は右へ行く、私は左へ行く・・。」というように個人差が出るのが普通だと思う。
しかし現場で瞬時に「自信・確信」を持てない付和雷同型の人々が、大勢雪崩を打って、先を行く人達に続いて同じ方向へ進む事に怖さを感じざるを得ない今日この頃だ。
あと気になったのが千葉の停電地区の人々の嘆き!「東電に勧められてオール電化した結果、えらい目に遭った!」そのIHオール電化を勧めたコマーシャルに出ていたのが陳建一氏だ。
中華料理の鉄人・巨匠と言われた陳建一氏は「中華料理は強力な炎が創り出すのだ!中華鍋の縁を回って炎が巻き込むように入り込んで、チャーハンのお米や具を一瞬にして強火で焼くからこそ美味しい・・!」等と自説いていたくせに、IHの宣伝コマーシャルで「お掃除も簡単!」などと炎の出ないIHを盛んに進めていて節操のなさを笑ったものだ。
しかし、電気が止まればIHなどただの金属と樹脂の板だ。冷蔵庫の食品等はたちまち腐る、冷凍庫は勿論全滅。トイレは流れない・・。電気が止まると夜暗いだの、空調が効かないといった工夫すれば何とか我慢できる事と違って、衣・食・住の中で最も重要な「食」を制限される恐ろしい事態が起きたのだ。
冷蔵庫の食糧が腐敗し始め、冷凍庫の保存物が融け始めれば、火を通して食べねばならない、しかしIHではこれが出来ない。
東電は停電に成った場合の事を考えて、高価な費用でIHにした家庭にはカセットボンベで使用できる簡易コンロを付けるべきだったろう?ネットで買っても2~3千円程度のものだ。
スマホもIHも電気が止まった途端に生活が成り立たなくなった現代の日本人!自己防衛をしないと此の先の命の保証は得られまい?
筆者は幾度も水害に遭ったり、友を大震災で亡くしたりして用心深くなったのか、今回の千葉の件でついに緊急用・携帯可能なソーラーバッテリー・(ソーラーパネルと蓄電池)を購入した。
折り畳み式のソーラーパネル(広げて1.5m程)にバッテリーチャージャー(=蓄電池)。実際テスト運転してみて充分納得。
5時間の太陽光充電(直射日光でなくともゲインは有る)で一晩の灯り(2部屋程度)と5~6時間のPC駆動、携帯電話など2~3台のフル充電は出来るようになった。簡易トイレ(凝固剤・消臭剤付)も80日分確保。卓上簡易ガスコンロも2台(ボンベ24本)は備蓄できた。
これで常時ガソリン満タン(80L)の四駆車とで当面生き延びられよう。もはや電力会社や自治体だけを頼みに生きていくにはあまりに不安な状態の地球になっている。おのおの方、是非とも各自・自己防衛めされよ!