書道にしても絵画にしても、昔で言えば「芸事」というものの教室や先生の派閥のある世界におけるコンテスト・展覧会は、入賞するコツや裏ルートがあるのを知っているから。一般公募展においてもそうだ。
最近は応募者のレベルの方が審査員の先生方よりはるかに高かったりするから、外部から見ていて応募者が可哀想に成ることも多々ある。
しかし、プロのクラスの写真展は好んで観る。特に世界報道写真展は欠かさず観ている。中には「これ絶対にヤラセだな?」と思うような自然破壊、自然保護系の「危機煽り報道」的な作品もあるが、そういう作品をしっかりと観て、どういう状況下で、どうやって撮影したのかを推察するのが大変面白くなってきている。
作者からすれば非常に嫌らしい、見学者かもしれないが、素人のこちらからすればこれ以上の勉強の場は無いと思っている。
そんな中、ドローンで日本の素晴らしい自然を写した動画や静止画をネットで観る事が多くなって、ふと?マークが浮かんだのだ。
ドローンで空撮を行えば、動画も静止画も同時収録可能だ。
今までの撮影方法では絶対にありえないアングルが可能になる。
今までの写真撮影と言えば、見事な紅葉画像にしても、海の夜光虫と星空のコラボレーション、あるいは見晴らしの良い山岳写真景色も、あくまでそこまで自分の足で行って目の高さでシャッターを押して撮影出来た画像だ。
奥日光戦場ヶ原の朝霧景色にしても、ズームアップして平行接近しか今までは出来なかったが、ドローンで上空から撮影すれば違った景色が見えてこよう。
最近は、画素数の大きなスマホが増え、デジタル一眼で撮ったものを見まごう程の作品が出始めている。自撮りも相当技術が発達して、今までの写真撮影では出来ない事が出来るようになった。あるいは動画で撮影した一コマを切り出せる時代になった今、写真撮影そのものが大きく変化しているのだ。
それに輪を掛けて、ドローンを飛ばす事で飛ばす人間も自撮りできるだけではなく、上空から今までの写真撮影ではとても出来ないアングルで観た事も無い画像や映像を収録できる事になったのだ。
2014年11月、日本におけるドローン空撮の先駆者、旭川Rave Projectの請川博一プロにお願いして野鳥撮影を上空から行う実験を行った。
少し野鳥達をドローンに慣れさせて、上空から撮影した。野鳥たちは5mの距離まで近づいても逃げず、学術的な野鳥調査・観察にドローンが有効である決定的なデータを得る事が出来た。2014年まだドローン撮影が話題になる以前の事。
勿論静止画の撮影にも非常に効果的である事が判明した。
そこで、一般の写真愛好者、いわゆるアマチュアカメラマンが鍛錬の上安全かつ効果的にドローンを飛ばせるように成って、コンテストの審査員も観た事が無いアングルの作品で沢山応募して来たら、一体どのように評価するのか?
審査員達が今までの目線で撮った作品と、どう差別化して評価するのか観て見たいものだ。自分でドローン撮影した事も無い審査員にはたして出来るだろうか?興味津々だ。