2017年7月18日火曜日

団塊世代はもうこれ以上の情報革命などいらない! Baby-boomer don't need much more information anymore.

 この三連休の新聞広告を見てみたが、さすがに夏休み前の子供用の広告が多い中、団塊世代以上の高齢者をターゲットとした広告も相変わらず多かった。
 全40面で構成された紙面全スペース(記事+広告)の内、全200段(=約13面が広告スペース、その内全122段が団塊世代を含む高齢者向けだった。以前調べた正月頃よりは比率が減ったが、やはり新聞広告は概ね高齢者を対象としていることが良く判る。

 新聞は従来1面を15段の記事列で構成していたのだが、2008年辺りから、団塊世代など愛読者の高齢化(当然老眼対象が増えた)に伴い一面を12段にして文字の大きさを大きくして読者サービスを行っている。主要新聞は概ね右に習えで同じパターンになっている。

 しかし、広告のスペースは従来通り一面15段で販売している。これってズルいと思うのだが、誰も文句を言わないし、新聞社の広告局もあえてことを大きくしたくないのだろう。

 全15段で全面広告になるのだから、全12段に成ったら1段辺りを従来価格の1.25倍で売れば済むだろうに、そうしない所が広告スペース販売の習慣を替えないで無駄な努力をすまいという妙な阿吽の呼吸で収まっている。どう考えてもおかしな話だと思う。

 そんな新聞記事に、スマホなどの通信インフラが進み現状の通信速度の100倍、容量1000倍の第5世代通信規格なるモノが開発が進んでいるという。暮らしが大きく変わると宣伝して期待する向きもあるが、ちょっと待ってほしい。これ以上の情報量を得て、人類・人間はそれを使いきれるのか?
確かに、中東でドローン(無人航空機)からゲリラを殺傷している攻撃陣は、実はネットで繋がったワシントンDCの空調の効いた部屋(攻撃作戦実務室)でアロハを着たサンダル姿のゲーマー(コンピュータゲームのオタク)達だという話を聞いたことがある。
 ろくに相手を確認せず間違って民間人を殺傷しても「ゴメンナサイ」の一言で済ませ、ボタンを押したゲーマーたちは罪に問われないでいる。これをYouTubeやニュースで見た人間も「酷いな、しょーがねーな」で終っている。
 たぶん本当の話だろう。しかしそんな不公平な事がいつまで許されるのか?神様は黙って視ているのだろうか?いつか当事者たちに罰が当たる様な気がしている。

 便利と無駄、あるいは便利と危険は表裏一体だ。便利・便利と言いながらスマホに取りつかれたように「歩きスマホ」をしながら、周りの危険に気を配れず、命を落とす人間(スマホジャンキー)が急増している。
 スマホに「おサイフケータイ」だの「Suica」だの自分にとっての重要な要素を全て入れて便利だよ!いーだろう?と自慢していたのに、何処かに落としたり、無くしたり、あるいは取られたりして人生が終わったと嘆く奴を幾人も知っている。

 こうして人間がモノを造りだすクリエイティブ脳力を退化させ、選択能力のみ、それもすでに人間の限界以上の選択肢の中で生きていくようになりつつある今、その現状を更に超えた情報量・情報スピードを開発して一体どうしようというのだ?

 ついこの間の実体験、Dellコンピュータのお客様サービス!なかなか担当者に電話がつながらない、チャットで受け答えするシステムもあるが、そんなFacebook とは違うチャットで初めて対話する人間に、Dellの担当者と同じ事(スピード、用語スキル)など出来る訳なかろう?全て自分たちの立場(スキル・常識)をベースにした客を馬鹿にした話だ。パソコンに精通した人間達にありがちな高慢な態度。いつか仕返しをしてやろうと思っている、勿論アナログの方法で。

 話を新聞記事に戻そう。

 「5Gが導く暮らし革命」の記事がメリットに掲げる、スポーツ観戦、防犯、遠隔操作、安全運転、どれをとってもそんなに簡単な事ではないだろう? 

 スポーツ観戦が遠隔地で充分楽しめるならスタジアムへ足を運ぶ観客はどんどん減るだろう。VTR、DVD、ケーブルTVが発展して映画館へ足を運ぶ人間は激減し映画上映の小屋は全世界的に瓦解した。代わりにDVDレンタルのTSUTAYAが町に蔓延った。生の魅力を忘れた人間は自分でスポーツをする事も無くなるだろう。

 防犯に役立つと言いながら、ここ最近殺人などの凶悪件数が増えているのはスマホの時代になってからではないのか?
 一方で監視カメラの普及で犯人逮捕が早くなったのは良い事だが、これは個人レベルの問題ではない。

 遠隔操作で工事現場の重機を現場を離れた遠くから動かすというが、遠隔操作画面には写っていない原因で事故が起こった場合、どう対処するのだ?遠隔操作でドジった尻拭いを、現場の担当者がやらされるようでは、その内現場スタッフの暴動が生まれよう。

 安全運転、に関してはAI・自動運転化が進んでいるが、人間が運転する車とのトラブルをどう裁くかという大きな壁が目の前に立ちはだかっている。人間同士が運転する車でも横入り、無理な追い越しなどでトラブル・事故が絶えないのに、AI自動運転車に人間運転の車が嫌がらせや意地悪をした場合、一体どう対処するのだろう?

 勿論AI自動運転の車は道路法規を守るだろうから、速度超過などしないだろう?行楽地へ向かう車の列に法規を守る車が混在した場合、一体どれだけの渋滞が発生するか…見ものだ。

 衝突防止装置のお陰で、急に停まった車に次々と追突する高齢者の車!有り得ない話では無かろう?スパイクタイヤ装着車にどれだけ後続車が追突したか?結局スパイクタイヤは禁止に成ったはずだ。

 開発は良かろう、ただし個人レベルでこれ以上の情報は不要だし、人間が処理しきれない情報量、ついて行けない情報スピード、近いうちに人間の反乱が始まるだろう。