2020年9月15日火曜日

緊急投稿!球磨川沿いの肥薩線の復旧を考える。その14.  Consider restoration of the Hisatsu Line along the Kuma River. Vol 14.

  筆者(1948年12月8日生)と生年月日が2日しか違わない71歳の菅義偉氏が第一党の自民党総裁になった。二日後には内閣総理大臣になるだろう。筆者も信条としている「実務が出来れば怖いものは何もない」タイプという事で期待したい。

 ただ、語学があまり堪能ではないようで、総裁選直前に日本記者クラブなどの質疑応答で外人記者から英語で質問されてたらどうしただろう・・。メディアや投票者の評価が少し変わったのではないだろうかと思ったりもした。しかし、並みいる世界各国を相手に国を率いる者の必須条件として英語力とパソコン駆使能力は絶対に外せないスキルだと思うのだが如何?

 勝手な政治素人の見立てで行くと、外務大臣と官房長官に誰を持ってくるかでこの先が見えるような気がする。

 余談はさておき、九州の山で登山雑誌の編集長が山から滑り落ちて亡くなった。最近、その道のプロが専門領域での事故や不注意で無くなるケースが増えていると聞く。古くはレースドライバーやテストドライバーが走行中に亡くなるニュースをさんざん見てきたが、動物撮影の写真家、冒険登山家、レースヨットのスキッパーなど、多岐に渡る。弘法も筆の誤り・・・が行き過ぎた専門領域での死亡事故は是非少なくなって欲しいものだ。


 で、今日は昨日の鮎漁で獲れた鮎の料理方法のバリエーションをもっとアピールすべきではないだろうかと言うお話。2010年から人吉市に通い始めて二食付きの宿にお世話に成ったのは30泊ほど。その中で夕食に鮎料理が出たのは半分ほどだが、必ずその鮎料理はあのW(=ダブリュ)形に塩まみれが固まったような塩焼きだった。甘露煮が一度、鮎の天婦羅が一度だけだった。昨日も述べたように人吉の旅館の多くが出す鮎料理はバリエーションが少なすぎ寂しい限りだ。

 ヤマセミの生態観察で10年通った球磨川流域の人々に、鮎の食べ方についてそれとなく聞いた限りでは、「塩焼きはあまり好かん」と言う方が多かったのは意外だった。それにあまり食さないとも言われることが多かった。

 これは、トマト生産高日本一の八代市でトマトの消費が多いかと言うと全然そうでなかったり、煙草の葉の生産量が多い人吉盆地で喫煙者が決して多くは無いのと同じだろうか?

 要は、あまり好んで食べる事も多くない地元の名産品「球磨川の天然鮎」に関してのサービスの仕方がイマイチ不十分なのではないだろうかと思うのが筆者の見立てだ。

 これが、同じJR(=旧国鉄)の駅で永い事鮎寿司を売っていた京都では「鮎料理」のバリエーションが非常に多い。人に来てもらい、その土地でその時期(アユは夏季のみ)にしか味わえない料理を「売りネタのエース」に仕立てあげる気風と知恵において、九州の小京都を売りにする人吉は京都以上の天然鮎を産していながら、まだまだその足元にも及ばないという事だ。

 しかし、これから必死に努力すれば「鮎と言えば人吉・球磨でしょ?」と言えるだけの成果は上げられると思う。それには知恵と努力だ。

 2003年、九州新幹線の開通を狙い、八代の頼藤商店さんが新しい駅弁を開発する事になった。当時東京から出張って八代市の活性化をサポートしていた筆者は、ここ頼藤の女将さんと切磋琢磨・討論試作を繰り返して「鮎屋三代」と言う弁当をプロデュ―スした。

空弁(小振り)にもなった鮎屋三代、折りかけの紙に「天然鮎なので多少の大きさに違いがあります」と断ったのは、並んでこの弁当を開いた方が「何でお前の鮎の方が大きいんだ!」と怒ってクレームを言い出さない様にとの気遣いだった。開発時は試行錯誤で大変だった。

 このプロデュースに関する紆余曲折はまた別の機会に・・という事で先送りするが、鮎に関してこれほど入れ込んだことはなかった。果たして球磨川流域の宿泊・飲食関連の客商売の方々は必至でここまで「鮎」に関する真剣さを今まで持ってきただろうか?

 そういう意味で言えば頼藤商店の「鮎に対する気持」は流域一番ではないだろうかと思う。思えば中学~高校生時代1967年頃の時刻表の駅弁欄に八代駅の「アユの塩焼き弁当¥200」がこの頼藤商店さんで、人吉駅の「鮎寿司¥200」が駅弁やまぐちさんであることも数少ない球磨川流域の伝統なのだろう。

筆者の時刻表コレクションの一冊1967年の物。

八代駅の季節弁当・鮎の塩焼き弁当¥200が凄い!

今も続く「鮎寿司」筆者は大好物で、もう既に30個以上食べていると思う。

1967年¥200.今¥1,100、2003年頃¥890、日本の物価の推移がそのまま判る。

長い事立ち売りをなさっている菖蒲さん。人吉市でも一二を争う有名人だ。

 此処で、天然鮎そのものを増やす努力をしている球磨川漁協の協力を得ながら、人吉市、八代市の飲食・宿泊関係者を中心に流域自治体が力を合わせて「球磨川鮎ブランド」の立ち上げをしては如何だろうと思う。是非とも四万十ブランドを越える「名物」を作り上げて欲しい、その為に肥薩線が色々な意味で重要な役割を果たすのだという結論へ持って行きたいのだ。

筆者が自分で毎年作成する天然鮎の一夜干し。

この美味しさは、何故か現地でもそう簡単に味わえない。


開かないで干してみた。身の部分が非常に味わい深かった。

明日はまだまだ続くアユの色々な食べ方。