2020年1月31日金曜日

緊急投稿!新型コロナウイルス禍に伴うちぐはぐな日本政府の対応。

 未知の新型コロナウイルスの脅威で、メディア・マスコミはてんやわんやの大騒ぎになっている。

 筆者の感じでは、世界が最悪の状態を想定してあらゆる厳しい対策を行っているにもかかわらず、日本の政府関連機関はあまりにイージーで遅い対応だと思わざるを得ない。


 この新型コロナウイルスが今までのウイルスと違うのは「新型肺炎は最長で14日間に及ぶ潜伏期間(保菌者の自覚症状が無い)の間にも感染を起こす可能性がある。」という点で全く未知のウイルスだという事だ。


 もしこの新しい未知のウイルスが「コレラ」や「エボラ出血熱」と同じ危険性があるとしたらどうする?そう思ってすべての対策をしなければいけない状態なのだ。その危機感が日本政府にはまるで無い様だ。

 ワクチンもまだ出来ていないし、出来るまで最低1年は掛かると言われている。マムシやハブの血清とは訳が違うのだ。

 一つの例として、中国武漢からの新型コロナウイルス禍で緊急帰国した人々。米国は軍用貨物機で国に関係する公務員の人々を運ぶ片手間で民間人を同乗させるが、貨物機の操縦席を観たら完全細菌防護服でゴーグルまでしていた。その覚悟のほどは日本とは比較に成らないほど真剣だ。ヨーロッパの国々も今のところチャーター機で無料で脱出させるようだが、詳細情報はない。フランスやドイツあたりは武漢滞在人数も少ないうえ、富裕層やビジネス系がほとんどだから有料になる可能性は高いだろう。


 しかし、日本は当初の目論見とは替わってANAのチャーター機を使う事になったのだが、乗って脱出する人々からは8万円の運賃を徴取する予定だという発表があった。これはそのまま8万円を払えない人は脱出出来ないという事を意味している。


 日本政府は当初政府専用機を使用して脱出させようとしたようだが、政府専用機は自衛隊管理なので軍用機となるため、中国政府が嫌がり実現しなかった。しかし当初の政府専用機使用の目論見通り進んでいた場合、はたして国は8万円を徴取したのだろうか?

 
 これは人間の生死に関わる人から人へ移る細菌トラブルという事で、対処の上限値が未だに判らない緊急状態での国の措置なのだから、今回の他の国同様、無料が当然と考える声がほとんどだ。

 危険な山や天候急変・事故で遭難しそうな人を救助するのとは理由も状況も全然違う。そもそも次元が違う。海は救助してもレジャー目的より海難事故の方が多い上、基本的に長時間泳げない人類なので世界共通で無料。一方山はレジャー目的の遭難の方が多く世界共通で救助・捜索は有料だ。これは世界の常識に則している。


 英国の伝統的旅行代理店トーマスクックが破綻した際、英国政府は海外にいる観光客を政府の費用で帰国させた。
最低限、憲法や法律を守り税金を払っている国民の苦難を国が守るのは、最低限の約束事だろう。

 「政府は、海外で新型インフルエンザなどの感染症が発生した場合の行動計画を策定しており。今回、公共交通機関が止まるなどしている武漢市は事実上「封鎖」状態になっていると判断し、支援を決めた。帰国後の受け入れ態勢なども早急に整える。」とのメディア報道を見ても、強い危機感を感じての対応だろう。


 はたして8万円を徴取してチャーター機に乗せるのが国としての支援なのか?


 与党である公明党も脱出費用は政府が負担すべきと表明している。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200130-00010006-houdoukvq-soci

 もっとも、此処でANAが「無料運搬の申し出」を行えば、広告費用とすれば数千万円の出費で数十億相当額の媒体費に換算出来る広告効果があろう。どうしてそういう発想が無いのか不思議だ。広告代理店のANA担当は提案もしなかったのだろうか?

 本来であれば、オーストラリアの様に、今回の新型ウイルスの状況が判らないため脱出させた人々が感染者なのか、感染発症者なのか、感染非発症者なのか、健康な非感染者なのかの区別をせず、全員を一旦離島(=オーストラリアのクリスマス島=キリバスの原爆実験場だったクリスマス島とは違う島)に運び14日間(最大潜伏期間)隔離する方法と同等の方法をとるのが一番確実だろう。


 何せ、今回の新型コロナウイルスはその性格も脅威の程度も未知のもので、実態も、人間への影響もまるで判らないのに、無知無能な役人の手配でホテルで5名1部屋相部屋で隔離だの信じられない我が国の対応だ。

 マスクだの手洗いだの程度の防御策で、普通のインフルエンザ程度のイージー感覚で処理・報道しているようだが、日本においては政府もマスコミもあまりに新型コロナウイルスを甘く見てはいないだろうか?

 テレビのワイドショーでもまだレギュラーのコメンテーターが危機感を訴える程度で、専門家もまだ得体のしれない新しいウイルスをどのように理解して良いのか判らないようで確固たる判断・アドバイスを行えないでいるようだ。

 そのうち国立感染症研究所などの専門家が出てきて説明や対処方法を説明すると思うが、その説明や解説を解決する明快な動きを厚生労働省や政府が行うかどうかは定かではない。これは福島原発事故で広がった放射能禍に対する国の隠蔽方策を見ればわかるだろう。多分同じようなことをするに違いない。

 この先、日本国内全域に感染者が広がったり、死者が増えたり、病院が感染不安の一般人であふれかえった時点、あるいは世界的に爆発感染が広がったりしないと我が国政府は真剣に対処しないだろう。なぜなら一世一代の2020 TOKYOオリンピックが控えているから。


 この先の影響などを展望した時、2020年7~8月の東京オリンピック開催時点が感染者数で最大ピークに成る可能性があると専門家も指摘している。だのに、JOCオリンピック委員会は「中止などまるで考えていない」と言い切っているが、これまたあまりにもイージー過ぎやしないだろうか? 
 どうもこの新型ウイルスの影響でオリンピックの今年開催が中止、あるいは数年延期されるような気がしてならない。

 まとめよう。未知の脅威から国民を守る方法・措置・行為は、人権だの、インバウンド向上などより遥かに重要な優先順位を持つはずだが、現在までのメディア・マスコミ報道を見る限り政府もメディアもその辺りがまるで判って居ないように見える。


 中国全土からの春節観光渡航者を未だに止めず、一方で有料チャーター便で日本人を脱出させる、またその一方で封鎖された武漢へ戻れない春節観光客・中国人数万人以上が日本国内に滞在を続ける。何か、何処かちぐはぐな日本の対応だと言わざるを得ないのだが如何だろう。