ヤマセミの場合はハヤブサを筆頭に猛禽類、餌を狙うカラス等の事だ。ヤマセミは生まれて1週間も経たないうちから、この天敵から身を守るための水頓の術を特訓する。
以前何度もこのブログでご紹介した通り、背後に迫った天敵が、あと一歩のところ、爪足が届く寸前水中に没し瞬時に身を反転180℃方向を変えて真逆方向へ飛翔するというものだ。
いわば競泳のクイックターンに等しい。以前川辺川でカラスから逃れるために3度、色々な方向からこのターンを撮影させてくれたヤマセミが居た。
今回の人吉行で、たまたま球磨川支流部の堰の上部の浅瀬でこれを繰り返している所に遭遇。手前の草に邪魔されフォーカスがいまいちだが、その訓練の特徴が撮れたのでご紹介。
最初、向こう向きの超低空・腹ばい飛行に気が付いた所から始まる。
いきなりダイブして、
しぶきが収まっていないのに向きが180度変わってこちら向きに!
再び腹ばい飛行だが、こちら向きは接近するのでフォーカスが非常にし難い。
いつも観ていて、この腹ばい飛行が信じられない。
この様に腹が水面に付くか否かの状態で滑空するのが凄いと思う。
手前の枯草でピンがいい加減だがご容赦願いたい。
水しぶきが収まらないのに反転し終わっている所が凄い。
今まで観察してきたヤマセミの生態を単なる写真集ではなく、解説・説明を文章と集計データを十分に盛り込んだ学術論文本として、いよいよ来年まとめようと思っている。資金の関係上せいぜい3~40冊程度(300P以上ハードカバー)しか作れないが、鳥類研究者の方々には多分役に立つだろう。
たとえば今日のこの本能的な退避訓練を論文・文章や数値だけで説明しようとしてもまず不可能だろう。そういう場合の記録写真・静止画・動画の持つ説得力程重要な証拠はない。前回の人吉行で収録した退避行動の動画を此のブログをご覧の方だけにご覧頂こう。
国内にヤマセミに関する資料が殆ど無い現状で、自分が積み重ねてきている生態観察・撮影データを現状までで一度まとめる事は結構重要だと思っている。2019年は結構ハードな一年になりそうだ。