今回はクロツラヘラサギの世界的権威、八代在住の高野茂樹博士とクロツラヘラサギに関するお話をしていて、今回撮影したクロツラのそのしぐさ、行動で明らかに繁殖期前期の生態だと思われるという事なのでレポートすることにした。
場所は不知火海へそそぐ幾つかの河川の河口部での撮影だった。7羽ほどの小群の中の二羽が妙に仲睦まじくお互いの羽繕いをしあっていた。
その周りのクロツラがそれを妬んでかやっかんでか、時々仲を裂くような意地悪をするのが見て取れた。
時々レンズのこちら側で彼らの行動を観ながら笑ってしまい、ブレた画像がいくつかあった。
一時は絶滅が本当に危惧されたようだが、高野先生をはじめ、韓国、台湾ほか世界中の方々の努力でここ数年は数が増えつつあるようだ。
干潮時で川の水深が浅くなっている時間帯に河口から400mmほどのエリアで採餌しているクロツラヘラサギの小群。時間的にはこの時はちょうどお昼頃だった。
問題はこの熱愛中と思われる二羽のクロツラヘラサギ。
その仲睦まじさは、人間のこちらが照れるほどだった。
これを視ていた別の一羽がすぐ傍で何度も羽ばたいて気を引こうとしていた。
熱愛中のどちらかに横恋慕しているのか否かは判らない。
羽根の先端が黒くないので完全な成鳥だと思われる。
とうとう周りで視ていた別の一羽が我慢できずに・・・。
仲の良い二羽の間を中央突破した。野鳥のヤキモチもここまでくれば人間と一緒だ。
クロツラヘラサギの数が増えたか否かも大切だが、生態を知って繁殖の背景・環境をサポートすることも非常に大切な事だろうと思う。