2014年2月21日金曜日

渡良瀬遊水地でハイイロチュウヒ初遭遇で撮影。 I met with Northern harrier in Watarase wet land for the first time.

関東地方2週連続の大雪の後、北風が強い日が続いたがやっとの思いで渡良瀬遊水地に出かける事が出来た。武蔵野から外環道と東北道を経由して舘林インターまで高速料金500円+1500円でちょうど2,000円で行ける距離だ。いつもヤマセミを撮影に行く人吉インターから益城熊本空港インターまでETCなし料金2,100円にほぼ匹敵する。この渡良瀬遊水地は今まで電車でしか行った事が無かったので車で機材を積んでいくのは初めてになる。
 2月18日朝10時半頃現場に到着、ハイイロチュウヒやコミミズクが観察できると云う事で午後3時頃からが見頃と渡良瀬遊水地の案内WEBサイトに出ていた為の重役出勤だった。多分早朝も採餌活動で飛んでいるとは思うが、次回は早朝に行ってみよう。

 しかし、この渡良瀬遊水地は野鳥撮影ファンには相当有名で人気の場所らしく北風が平均10m程吹きつける18日火曜日でも、数えただけで15台を下らない撮影車が居たようだ。特に鷹見台と言われる場所には7~8台の車が何を狙っているのか熱心に双眼鏡であちらこちらを視ていた。
鷹見台という堤防の上の小高い場所が2km程の距離に見えたが熱心な観察者で一杯だった。

その時は突然バラバラと野鳥が数十羽離散した動きで猛禽類の飛来が判断できた。

左の方向から真っ白な大型の野鳥が強風の中斜めに飛んでくるのが見て取れた。

最初はカモメかウミネコの様な野鳥がいわゆるハイイロチュウヒだと判るには数秒必要だった。

撮影している時は判らなかったがやはり金色の目で非常に鋭い精悍な顔つきだ。

パソコンで見れば背中がハイイロと云う事が判るが昼日中太陽の下では真っ白に視えた。


 ここで、あまり良い話ではないがこの地を訪れようとする方へのアドバイスとして今回経験した不愉快なケースを報告しておく。

 珍しいハイイロチュウヒが良く見られるという場所を案内ウェブサイトからアドバイス頂いたので、初めての撮影としては素直にそのエリアに的を絞って準備した。勿論自分でもどんな野鳥か視た事もないので、もし視られればもちろん初見に成る。現場には既に2台ほど先客がいたので、常連者に敬意を表して挨拶かたがたアドバイスを貰らおうとごく普通に話しかけたら、若い一人は「いつ出るか判らないし、何処に出るか判らないんですよねー」との事だった。
ところが直後髭面のガタイの大きなのが、とんでもない御仁でいきなり威嚇されてしまった。「九州で主に撮っています」と自己紹介したら「じゃ、九州で撮ってろよ、此処へ来るんじゃねぇ、自慢なんかしてんじゃねえよ」とこう喧嘩腰で来た。「えっ?自慢などしていないが・・・。」というと「なんだとぉ?」とこうだった。こいつは江戸時代の上州やくざのチンピラの末裔かと思う程だった。
 呆れかえってそれ以上は関わらないで早々にその場を立ち去ったが、その30分後目の前をハイイロチュウヒが横切ってくれたので感動しながら夢中で20カットほど撮影できた。しかしお喋りに夢中でそのガラの悪い御仁は気が付いたときは遅くて撮影出来なかったようだ。せっかくの良いチャンスを逃し可哀相だったが自業自得だ、一体何をしに来ているのか判らない。

 いつも熊本で和気藹々と野鳥を観察・撮影している普段と比べると、ここ渡良瀬遊水地はとんでもなく品の無い、ガラの悪い野鳥撮影者が居るようだ。渡良瀬遊水地に来るすべての野鳥撮影者がそうではあるまいが此処では地元ナンバーの車の人間にはうかつに話しかけない方が良いかもしれない。要は自分の土地の野鳥は他県からの撮影者には撮らせたくないのだろうか?それとも基本的に普段からよそ者には排他的な土地柄なのだろうか?呆れてものが言えなかった。残念ながら、たまたま偶然一番品の無い輩に出遭ってしまったのかもしれないが、愛鳥家は割に皆良い人ばかりだと思っていたのを改めなければいけないかもしれない、残念な事だ。後で地元の色々な関係者に訊いたら実は最近そういうトラブルを起こす人間が居て困っているという。撮った写真をホームページに何処で撮影したと掲載すると脅しに近いクレームが来るという。自然界の生き物は誰のモノでもない、何か大きな勘違いしているのだろう。飛んでいる野鳥はどんなに珍しくても誰のモノでもない。多分他人が良いチャンスをものにして良い画像を撮る事が気に食わないのかもしれない、心の狭い卑怯な性格なのだろう。
 
 ここで断っておくが、不愉快な思いをしたと云う事で栃木ナンバーや、つくばナンバーに乗っている野鳥撮影愛好家すべてがこの手の柄の悪い人種であるとは決して言っていない。勘違いしないで頂きたい。自分には宇都宮市にもつくば市にも仲の良い友人や知人は沢山居る。素晴らしい環境と珍しい野鳥に出遭う為に人気の渡良瀬遊水地に行かれる事が有ったら、この場所ではこう云う事もあるのだという事を頭の何処かに入れて置いて頂けると、何かの役に立つのではないかと思う。

 ところで今回は嫌な体験にもめげず2日連続で渡良瀬湧水地に通った。理由は珍しいハイイロチュウヒを撮影出来たからと柳の下を狙った訳ではない。実は携帯電話を落としてしまったのだ。帰りに車を運転しながらそれに気が付いた。その理由で即翌日再訪し徹底的に探そうと決めたのだ。遺失物は落とした原因、場所を良く考えて即回収行動が発見への一番の近道だ。しかし熊本で例えれば横島干拓とほぼ同じ広さが有る渡良瀬遊水地だからまず出てこないと云う気にもなったが、撮影した場所は全て記憶しているので丹念に探せば出てくるだろうと云う期待もあった。
で、朝9時前に現場に着いて最初の場所から丹念に黒いストラップの付いた携帯電話を捜した。何かの拍子に振り飛ばし道路の両脇の葦に引っかかっているかもしれないと道路わきの草地と葦を丹念に見て回った。道路上に落ちていれば車に轢かれてしまうか散歩の人に拾われているだろうと思った。しかし11時半に成っても主に撮影した6か所から携帯電話は見つからない。昼に成ったので渡良瀬遊水地湿地資料館に訊きに行ったが届けは無いという。

 この時点で広い遊水地全域を半日探して見つからないのでさすがに諦め、気持ちを入れ替えて再度野鳥撮影に向かった。やはりハイイロチュウヒを撮影できた感激からもう一度チャンスが有るかもしれないと13時半頃昨日撮影した場所から背景を変える意味でも少し離れた場所に車を停め脇の草地にバックで停車した。そうして後ろのハッチバックを開けて機材を取り出そうとして何気なく車の脇を視たら、まさに黒いストラップが付いた自分の携帯電話が落ちているではないか!車の脇30cmだった。


 生まれてこの方奇跡と言えるような事態にはあまり出遭っていないが、この時ばかりはまさに奇跡だと思った。同時に何か寒気を感ずるような恐怖も覚えた。有り得るのかこんな事が?へなへなとその場にへたり込みそうになったが、とにかく証拠の記念撮影をしようと一旦手に取り使用可能な事を確認した携帯を発見状態に戻して2~3カット撮影した。同時に周りに人や車が全くいない事を確認して湿地帯全域に響き渡る様に万歳三唱した。アドレナリン120%で心身活性化が起きてくるのが良く判った。きっと宝くじに当たるとこういう気分になるのだろう。

 要は前日も一旦停車して車外に出て周りを見渡した場所だったようだ。つまり自分で気に入った撮影ポイントというモノは何処においても、いつ何時行っても無意識に同じ場所を選ぶと云う事だ。
 氷点下の草原で一夜野宿した携帯なのでバッテリーは勿論スズメの涙程度しか残っていなかった。バッテリー残量計3本が見えず赤い線が薄く一本確認できるだけだったので、掌で思いっきり温めた。そうしたらそのうち目盛は2本まで戻ったのだった。早速関係者にショートメールを送り心配かけた事と復活した件を連絡した。色々な意味で「出来事」の多かった渡良瀬遊水地だった

 週末特集の後、次週はこの渡良瀬遊水地でのチュウヒや多分ハイイロチュウヒのメスと思われる画像などをご紹介したいと思う。