2018年8月23日木曜日

緊急投稿!甲子園の高校野球はとっくの昔に曲がり角!その2. Urgent posting! High school baseball in Koshien passed turning point already ! Part2.

 昨日のこのブログへのご意見がEメールで結構届いた。大クレームの嵐かと思いきや、オブジェクション!は全然なく、関西の方から非常に納得のいくご意見を頂き驚いてしまった。
 芦屋にお住いのAさん、甲子園浜で昔ウインド屋さんをやっていた80歳代の方Bさん。同じような内容だったので要旨をご紹介すると・・・。「大阪人は今ジェラシーで一杯なんだ。」という事らしい。

 大阪桐蔭が勝つのは判っていた。連覇するのも地元だし当然だと思っていた。しかしメディアもそれを判っていたので、それを褒めてくれない。あまりに当然なのでニュース性も意外性も話題性も無いから報道メリットも少なく、凄いと言ってくれない。

 一方で雪で練習時間も限られ、ピンチヒッターも出せない程の選手陣で頑張る金足農業は意外性、話題性を取れるからメディアは「賞賛の嵐」。
 大阪地元の高校野球ファンは賞賛の嵐が準優勝校へ行ってしまったので悔しくてしょうがない・・・。のが本音だそうだ。「まあ、大阪桐蔭は越境野球留学生ばかりで構成され過ぎて、高校野球の原点から外れてしまったから仕方がないと思っていた。」…という事だった。あまりに正直に思いを吐露されたので感激してしまった。公正で立派な御仁の考えに頭が下がった。
今年の決勝戦、この2校が戦ったのだ。皆どちらを応援するか誰が見ても判りそうなものだ。外人部隊で意図的に実質2チーム居る様な大阪桐蔭とピンチヒッターも出せない金足農業。これでフェアだろうか?

 実はこのブログで昨日の続きを書く際に、ヤマセミの取材・撮影で良く行く熊本県の高校野球代表校の話で数年前呆れてしまった事を想い出した。八代市の秀岳館高校の件だ。それを書こうと思ったのだがメールを頂き、心有る大阪の方の的を得た本音に、もうこの件をあまり深く掘り下げてもしょうがないなーと思った次第。

 2016年8月15日のネット上の過去・報道記事から・・・。
「秀岳館(熊本)は4強入りした今センバツに続いての出場だ。指揮を執る鍛治舎巧監督(65)は「枚方ボーイズ」(大阪)で何度も日本一を達成した実績の持ち主。ベンチ入りメンバーの大半はその枚方ボーイズ出身で、センバツに続いて今回もメンバー18人の中に熊本出身者はひとりもいない・・・」

 これだけで筆者が何を言いたいのかお判りだろう?

 秀岳館が甲子園に行った際、この秀岳館高校のある八代にたまたま行っていて、昔の太田郷小学校の同級生に「応援せんと?」と訊いたら「シンジョー君!熊本出身者が一人もおらんとに、だぁーが応援すっと?」と言われ眼が点に成ったのをはっきりと覚えている。
 これが高校野球の理念を失ったチームへの全国の一般国民の正しい反応だと思う。
 個人的には甲子園を目指せる高校は地元中学校出身者で構成されたチームしか認めないくらいの厳しいルールで行うべきだと思っている。
 今回の大阪桐蔭が全部地元大阪地区の中学卒業生だけで構成されていたらどうだろうか?その方が手に汗握って面白いのではないだろうか?

 話を2年前の秀岳館へ戻そう。

 この2016年は熊本地震があった年だ。この地震の騒ぎで鍛治舎巧監督が引っ張ってきた大阪からの越境外人部隊は、親御さんも心配したのかその中核含め一部のメンバーが大阪へ逃げ帰ってしまったという話を聴いた。
 相当長い事余震が続いたうえ、「よそ者」にたいしてつらく当たる県民性、排他的な郷土性があの震災直後の混乱時のモロモロの事件で感受性の高い高校生には相当辛かったのだだろう事は想像に難くない。

 これは、小学校6年生で北九州の小倉から八代の大田郷小学校に転校してきた筆者が体験しているので一番良く判る。よそ者いじめは昔は相当なものだった。今もそう変わらないだろう。

 しかし、この外人部隊が去った2018年の今年、秀岳館はどうなったと思う?地方予選3回戦でコールド負けなのだ。如何にこの外人越境部隊が引き上げてしまった後に残した影響がひどいかお判りだろう?筆者が高野連を非難するのはこういう事実を観て見ぬふりをする体質だからだ。
 同時に鍛治舎巧監督、相手チームのサイン盗ませ、注意を受けるなど疑惑の監督と言われた御仁、勝つためには何でも有り!方式の野球で果たして高校野球の理念が守られるのだろうか?
 正々堂々、フェアに!って攻守交代の際、全力で走る事だけでは無かろう?高校生だもの、イチローだってやっているルーティンのポーズ位許してあげれば?そんな細かい事を偉そうに注意し止めさせるより、高野連としてもっとやるべき大きな問題があるのではないだろうか?
 野球を報じてお金を稼いでいるメディアもモットまともな報道をすべきだろう?
 未だ悪しき越境入学の癖が抜けていない秀岳館、しかし3回戦コールド負けは恥ずかしい限りだろう?野球で名を上げたかった秀岳館学校経営者は今何を思う?

 しかし、筆者はこれら全ての原点は日本の少年野球30年来の発展環境にあると思っている。大手広告代理店時代「世界少年野球」などの運営その他で王貞治さんや関係者にお逢いし、日本の野球に関して色々教わり学んだ。一部の方から関西の少年リーグの件を聞いた事を覚えている。これは王貞治さんからお聞きしたのではなく、コテコテの関西の方からだったように記憶している。

 「長い事南海ホークスの監督を務め、退任後も球界のドンと言われた鶴岡一人氏(あの大沢監督よりも前に親分と言われた人)の主導で関西ボーイズリーグが本部を大阪球場に置いて組織された。
大親分の音頭で造った組織なので、その人脈から多くの関西チームが参加、ここに「中学生球児量産シンジケート」が誕生したという訳だ。

 量産されもの凄い勢いで発展拡大する中で、関西の有力校のスカウトからこぼれた子供達が地方に流れ出しのが、越境野球留学、大阪を含む近畿圏から地方への選手流出の始まりという事だ。


 それに加え、あわよくば将来の有名選手、王、長嶋に続く野球ヒーローに我が子を育てたい、野球漫画ドカベン、阪神のセ・リーグ優勝、バースの勢いなど野球で夢見る親バカも精一杯このブームの後押しをしたのは間違いない。

 その後甲子園に出てメディアで有名になる事が学校経営上、応募者数増大、寄付金募集上有利であることに気付いたのが学校ビジネス経営者達。この動きが始まった途端、地元で目立つレベルだったボーイズリーグの有力選手を関西の学校中心にスカウトするようになった。高校野球に突然PL学園などが出て来た頃だろう。


 選手側(の親)も甲子園に出る近道ならと、積極的に地方の野球で有名になりたい高校にこぞって越境野球留学するようになったという事だ。
 監督たちも名声を上げ有名になりたいが為、己のエゴで有力選手を引っ張り回し、野球サーカス団の如く求めてくれる所へ遠征集団移住したのだ。これが鍛治舎巧監督が枚方ボーイズを率いて熊本へ都落ちした実例の一つで、今に至るまでこの悪しき流れは何一つ改善されていない様に見える。

 無邪気で野球好きな子供達に罪はない。しかし思春期に一番重要な教育という事より監督の名声、学校の名声、バカ親達の「夢」のために子供の人生をコントロールしてしまって良いモノだろうか?
 高野連はこういう点に関してどう考えているのか是非知りたい・・・と書きたいが、筆者としてはどうでも良い。何も考えていない事は火を見るより明らかだから。

 日本の野球界の現状は日大アメフト部の問題、日本相撲協会の問題、バスケット協会の問題、最近の日本のスポーツ界における全ての根源にある問題が実は一番多く眠っている場所だと思っている。

 日本のプロ野球界を飛び出てMLBへの門戸を開いた開拓者・野茂英雄氏、それに続いて飛び出て行ったイチロー、松井秀樹、数多のピッチャー、最近では大谷翔平選手。彼らは日本のプロ野球選手達がほぼ全員首から下げている数珠玉みたいな厭らしい品の無い首輪、誰一人付けていないだろう?

 それだけ日本の野球界って高校野球含めて「変」な所なのだと思う。この項は続けるかどうかまだ不明。