2018年6月26日火曜日

ヤマセミの幼鳥巣立ち直後にしか観られない10日間ほどの生態。 These are very rare ecology of crested kingfisher only 10 days after young birds left the nest.

 人吉市の食文化、それも努力をしない飲食店が供す味のレベルが、うかうかしているとコンビニのコンビニ飯に近い将来負けてしまうのではないか?…という危機感を実体験からレポートしたが反響は非常に大きい様だ。

 5月の長期滞在後、6月に入って再び人吉に滞在したが、その際、今まで観た事もない様なヤマセミの勢ぞろいを撮影する事が出来た。
 もう既にヤマセミ幼鳥達はバラけて、現在は個々の育つレベルで一人前になる過程だから、今日のブログのような画像は間違っても撮れない。また来年のチャンスを待つしかない。

 ヤマセミの巣立った幼鳥が綺麗に並んで、親からの給餌を順番に待っている姿を、毎日のようにメール添付で送って下った人吉市在住のお二方には感謝で一杯だ。
 雨が多かった6月初旬、毎日球磨川でこのヤマセミの幼鳥教育の生態を記録し送って下さるので、筆者もついに腰が浮いてしまった。

 7月8日(日)八代市で開催の熊本大学市民講座「ヤマセミ・カワセミをとおして球磨川流域の自然を学ぼう」の事前打ち合わせを兼ねて、3泊4日で人吉市を再度空路訪問したのだった。

 雨の中、早朝6時30分羽田発のANAで空路鹿児島空港から人吉市に入り、さっそく今朝も見たメールの場所へ直行、いつも最初に詣でる矢黒のヤマセミ神社こと矢黒神社への参拝も後回しでヤマセミ観察を開始。

 巣立って1週間ほどが経った頃から10日間程の限定期間、もうそろそろ自分で餌を獲り、観るものすべてに興味を持つ状態のヤマセミ幼鳥達、親の言う事を聞かずバラケテ自由奔放に動き回るほんの寸前だったようだ。

 150m離れた球磨川対岸の倒木に並んで親の餌を待つヤマセミ幼鳥4羽を撮るには、まさに滑り込みセーフ状態だった。結局幼鳥4羽に親2羽が揃ったのを観察できたのは実にその日が最後だった。翌日からは集まっても3羽。ヤマセミ神社のご加護だったのは明らかだ。

 まずは、揃っている状態の色々な画像を人吉にお住いのお二人の画像からご紹介。
6月1日撮影、通称・横棒にまとまったヤマセミファミリー5羽の画像。巣立つて間もないので、皆こちらを向いている。さすが人吉と言えども、なかなかこういうシーンは撮れない。毎朝雨だろうが雪だろうが、球磨川本流土手3kmのエリアを往復ウォーキングしながらヤマセミを観察されている辻先生。そのウォーキング時間帯は朝7時10分から8時30分までの約80分間だ。その限られた中での撮影。

6月1日の辻先生の6羽一緒の画像。横棒から目の前の浅瀬の岩地帯に降りているファミリー。この日のメールに8羽?と未確認のレポートがあったが、筆者到着した日の翌日、6羽のファミリーと同時に少し離れた方向に3羽の別のファミリーを目視確認できたので間違いではなかった事をお伝えした。

6月3日の古江さん撮影のファミリー画像。古江さんは野鳥観察特別仕様(助手席に三脚を固定・運転席側からブラインドで覆った隙間に600mmレンズを覗かせ狙う)の車を自作。ほぼ毎朝7時30分頃から9時半頃まで必ず車の中から撮影されるので、野鳥の方も全然警戒せず、全くの自然体画像が撮れている。行動範囲は人吉市界隈10km四方の広範囲に及ぶ。 この画像でも未だ整然と正面を向いて親の給餌を待っている。左のでっぱりにはいつも親が留まる様だ。

6月11日、間に合って、かろうじて撮れた幼鳥4羽+親2羽のファミリー写真!現場到着後2時間待っての成果。結局6月1日~11日の間のみ幼鳥達がこの横棒(集合場所)で親の給餌を待って居た訳だ。古江さんを見習って筆者も車の助手関越しに撮影。

一羽がやにわに飛び出して行った。直後2~3羽が後を追ったので、ファミリーがまとまった画像はこれが最後のカットとなった。

滞在3日目、観察していて遠い対岸に白い野鳥がバラバラに群れ成して飛んでいるのを発見!レンズを向けたら何とヤマセミだった。2~3のグループがパニックを起こしながら森林地帯を飛び回っていたのだ。こんなシーンは初めて視た。一つのファミリーはこの森の裏側に繁殖地がある模様だが道はない上崖だらけでとても入ってはいけないエリアだ。

まるでクイズのようで判りにくいと思うので、飛んでいるヤマセミに丸を付けてみた。

こちらは全然別の球磨川支流の上流部の堰。堰堤の上に3羽、左の茂みの奥に1羽幼鳥がいるのがお判りだろうか?今年のヤマセミ繁殖は成功した所と失敗した所の差が大きい様だ。別のポイントではまだ動きがない様子だが繁殖はどうなったであろうか? 次は7月6日頃訪問予定なのでチェックしてみたい。