人吉在住の観察者の皆さんからのヤマセミ・レポートでは6月1日から幼鳥教育の詳細が入り始め、約10日余り活動が続いたようだ。6月15日過ぎの連絡ではもうヤマセミの姿は見られず、今年の幼鳥教育は無事終了したとの事。
鉄橋を大きな音を立てて通過する肥薩線の列車が朝9時半頃まで1回も無くなるという事が、これほどヤマセミなど野鳥の生態(幼鳥教育の場所)に関係してくるとは思いもよらなかった。
東日本大震災の直後、立ち入れなくなった浪江町などで家畜や野生動物があっという間に自然行動を始め、アフリカのセレンゲティ国立公園(=原野)では無いが、ほぼ完全野生状態化した事を想い出した。
一瞬、人吉に人間が集落を形成する以前の状態がどんなだったか?想像してしまった。橋や人工構造物が無く、広い川幅の両岸にタチヤナギなどの樹木が生い茂っていたであろう球磨川には、意外にヤマセミが今ほど多くは無かったりするのかもしれない。
この後は人吉市郊外のいくつかのポイントで遅い巣立ちのヤマセミファミリーによる幼鳥教育の観察が可能かもしれない。しかし20日過ぎの降雨量が多く、球磨川本流が増水、支流の胸川など氾濫危機もあった為、ヤマセミの幼鳥教育がどうなっているか気掛かりであると共に、場所が例年とは違う可能性も十分考えられる。
幼鳥教育中は親がいる所に幼鳥が必ずついて回り給餌されるのを待っている。ほんの1週間ほどの間だ。
鉄橋の真ん中の橋脚部に集まるBグループ(上流サイド)のファミリー。
餌をねだる感じの幼鳥がオスの親を物欲しそうな顔で見ている。
採餌に向かう親を追う体制の幼鳥達。
しかし成鳥のスピードには幼鳥は追い付かない。
幼鳥メス2羽は手すりに留まって・・・。
親を待つしかないのだ。
同じ場所で、筆者が到着する6日前に人吉在住の古江さんが撮影されたヤマセミの幼鳥への給餌、貴重画像をご紹介。
この場合はメスの親が餌を持って幼鳥を呼び、
自分の順番を知っている幼鳥が飛来。
給餌を完了。貴重な生態画像だ。