2023年4月13日木曜日

大洪水から三年、ヤマセミがなかなか戻らない理由 その1. Three years after the great flood, the reason why the Crested kingfishers do not come back easily, part 1.

  何とか洪水後三年ぶりに撮影出来た人吉のヤマセミ画像に数多くのアクセスを頂き感謝に堪えない。今回の3泊4日で、如何に自然が大切か、自然の力が凄いかを改めて学んだ。

 同時に、これだけの災害地で復旧作業・復興作業をしている人間の営みに合わせて、ヤマセミを含めた自然界も徐々に復活しつつある姿を見て、思うところ少なからずだった。

 単に人間が生活している街中に、本来人里離れた山奥に棲み恐ろしく警戒心の強いヤマセミが共存・生息している・・・などという単純に「ワー凄い!」的な希少価値観点とは次元の違う、もっと奥深いものを感じさせられた今回の人吉行だった。

 まずは、今回人吉初日の雨の中、非常に幸運にも出遭えたヤマセミのつがいの繁殖期の行動を撮影したレベルは低いものの貴重な「確認資料画像」をご紹介。

 地元観察者の方々に訊いても、「ここ暫くはヤマセミの声も聴かないし姿を殆ど見かけない」と言われる中での遭遇は、ポッと東京から来てすぐに雨の中出逢えるのは信じられない・・と幾人からも言われた。

小雨降る中、まず声が聴こえてしばらくして目視出来たヤマセミ。

手前側へ飛んできてくれた

・・と思ったらもう一羽居た。

まだ抱卵期には入っていない様だった。


 間近の岩にランディングした二羽。球磨川本流の人吉市郊外、行政区分で言えば人吉市ではない場所。

 今日のタイトルにあるように「三年経ってもヤマセミが戻らない理由 その1、」

 
繁殖期に成るとヤマセミが乱舞する事があるエリア

現在は工事の真っ最中、人の出入りが多いからヤマセミは来ない。

本数が減ったが1日に数度走行する肥薩線(山線区間)で唯一残った球磨川の鉄橋。

鉄橋は残ったが、肥薩線運行停止の為、踏み切り手前で線路消失撤去中。

 洪水前幾度もヤマセミがダイブしていた市の中心部球磨川の中州にあった
中川原公園(左手)。
2022年頃の樹木が数本残っていた中川原公園 Google mapより

 公園の樹木は全て流失・伐採されトイレも無くなり完全更地に成っていた。これでは採餌ダイブをする球磨川にせり出した樹木が無く採餌ポイントではなくなってしまった為ヤマセミは来ない。別の場所へ移動してしまった。

 こうした状況が今後どのくらいで復旧し、ヤマセミが戻ってくるかは調査を続けなければ全く分からない。