昨日の炎天下、北関東の研究所泊まりの帰りに月に一度以上定点観察をしている上野不忍池にその様子を観に行った。カメラはコンデジ、Canon Powershot SX740HS。
基本的に真夏の不忍池は鳩、スズメ、カワウ、カイツブリ、一部居残りのカルガモ以外野鳥の姿は殆ど無い。カワセミも早朝・黄昏時には出て来ると思うが日中は声も聴こえない。
そんな静かな筈の真夏の不忍池でやたら脳天に突き刺さるのが蝉の大合唱だ。
で、いつもの通り御徒町方面から鰻伊豆栄さんと龜屋一睡亭の間の不忍通りから池の周回路に入り時計回りに一周したが、セミの数は今が最高調かもしれない。セミはニイニイの残り組とアブラ、ミンミンが大合唱をしている。
今回はミンミン1匹、アブラ5匹、ツクツクホウシ1匹(メス)の計7匹を手掴みで採集。勿論証拠写真を撮ったら30秒ほどですぐに放つのはお約束。たかが虫一匹だが、世の中の生態系の中で非常に重要な位置に居るのが虫だ。植物や虫のお陰で地球環境が安定して保たれている事を多くの人間は知らない。
細かい話は横に置いておいて、このセミを手で直に摑まえるという行為・行動が高齢者に入った「団塊世代」にとって結構有効な事を今日はご紹介したい。
川の瀬の音の中でヤマセミや野鳥の声や気配を感ずることで、老いて行く五感を再起動させる話は幾度かこのブログでご紹介したが、蝉捕りも同じような効果があるのだ。
まず、セミを探しに出る事で「歩く」距離を長く取れる。健康に良いからと辛くても暑い中無理して歩いて熱中症や熱射病に成る御仁が居るようだが、蝉捕りは木陰が戦場なので長く歩いても直射日光に当たる事はあまりない。気が付くと1万歩‥と言うのは珍しくない。
筆者は三鷹市在住なので野川流域へ週3回(サンセットランや自然物撮影など)は行くが、大体において1万歩は越えている。団塊世代にしては順調に歩いている方だと思う。歩かねば足腰が弱る。人間、普通の生活を長く営むには足腰と脳を退化させない事だと認識している。
次に木々に留まっているセミを発見するために耳と目を駆使する事で聴覚・視覚の訓練に成る。声はまずどんな種のセミがどの木に留まっているかを鳴き声を聴いて耳のアンテナで定める。次に樹のどこに留まっているかを目視する。これでセミが鳴いている時は高さ1.8~3mの場所、鳴かずにただ留まって休んでいる際は人間の眼の高さ~せいぜい2mのエリアに居る事を学ぶだろう。だからこそ手で掴めるのだ。
蝉のメスは鳴かないから、もちろん目視探査の方が見つける為には重要だ。
子供が捕虫網でセミを捕るのはその高さに背が、手が届かないからなのだ。意外にも捕虫網でセミを捕るのも手で掴むのも成功率はあまり変わらないような気がする。
不忍池の周回道路には立ち入らないで下さいという意味で柵が設けてある部分もあるが、立ち入って長居して酒を飲んだり弁当を食べたりしなければ1~2分蝉捕りするぐらい大目に見てくれよう。但し池側はやめた方が良い。雨後で滑ったり湿った所を好む毒蛇が居たりする。
こうして今日のブログは捕らえた昨日のセミ3種と、不忍池の佇まいを画像でご紹介!