先日、地下鉄東西線の東陽町にある竹中工務店のギャラリー・エー・クワッド(= Gallery A⁴ )で現在行われている写真展を観に行った。
ギャラリー・エー・クワッド(= Gallery A⁴ )とは、竹中工務店の関連CSR事業の公共財団法人で、色々ユニークで面白いイベントを実施していると聞いて行ってみたが、驚かされた。なかなか知恵を使った展開で得るところが多かった。
要は、写ルンです!という富士フィルムのレンズ付きフィルム(バカチョン・カメラ=馬鹿でもチョンと押せばだれでも写るの意)を1台駆使して、アマチュアに自由に東京中心のテーマに答えた写真を撮りまくってもらうと言うモノだ。建物カットを必ず1件入れる事という条件が最低限竹中工務店がやっているという事のアイデンティティだった。
実は、筆者はその昔1996年頃、大手広告代理店勤務中、北海道でスノーボードのワールドカップを企画・演出・運営した事が有ったのだが、その際海外から来た世界のトップ・プロ選手たちにこの「写ルンです!」を渡し、好き勝手に撮影して欲しい。プリントした画像はあとで差し上げる!とやったのだ。外人たちが日本のスノーサイトで一体何に興味を示すのかを知りたかったのだ。
これがとんでもない事に成った。あとでまとめて現像に出したら、当時の世界のトッププロ選手、特に女子選手たちの素っ裸の写真などが写っていて大変なことになってしまったのだ。
ヨーロッパの選手たちの自由度・騒ぎ方は半端じゃなかった。名立たる金髪のトップ選手が3人並んで素っ裸でこち向いてラインダンスをしていたり、温泉大浴場で選手たちが湯船から顔だけ出して8名並んでいたり、中にはトイレの便器に座っている恥ずかしい写真など、とても世に出せるものではなかった。それらだけで写真展を行ったら物凄い事に成っただろうと思う。もう時効だから話だけ公表しようと思う。
話が横道へそれてしまったが、だからこそ同じレンズ付きフィルムで似たようなことをやっている竹中工務店さんに非常に身近なものを感じたのだ。もちろん竹中工務店はまじめに写真文化と人それぞれの「モノの見方」を調査するなど、隠れた狙いがあるのは判っているが、実際に撮って貼り付けてある画像を見ると、撮影者が見えてきて面白い。
しかし、残念ながらスノーボードの時とは違い「意外性」に関してはいささか期待外れだった。夫婦二人で一緒に撮りまわったらしいモノ、頼まれたから仕方なく撮ったような視点がまるで分らないもの・・・など。
ただプロの写真家さんが渋谷でドブネズミを追いかけまわしたシリーズは気合が入っていた。インスタント系のカメラなので夜のストロボの発光範囲は狭い!それを逆にうまく活用し良い雰囲気が出ていた。しかも撮影は一晩では出来ないだろう、しっかりと撮影されたようで頭が下がった。
一方で東京を表現するのに、東京でうごめく人間を通して表現した人が一人しか見当たらなかった。もう少しいろんな職業の人やバイトや渋谷を闊歩する目立ちたがり屋のファッションなどを前面に出した人がいないだろうかと思ったが見当たらなかった。ダメじゃん?
しかしこのシリーズ企画はとても興味がわいた。面白い!是非行って観るべきだと思う。
行った日にすぐFacebookで投稿し情報拡散した。
此処がそのスペース。
数千枚の写真を見て回るのは腰が悪い人は救急車を呼ぶことに成るかも?
一番気に成ったのがこの作品だった。実際自分で撮ってごらん?多変だよ。
で、過去のシリーズ展のパンフがまた面白い。大変勉強になった。
テーマの切り方がタイムリー。
江戸~東京の名残のありそうなエリア中心に・・。
東日本大震災にもきちんと目を向けている。
今回、事務局の深澤さんに大変お世話に成り、無理をお願いして過去のパンフ資料などを分けて頂いた。企業のCSR活動としては頭が下がるものだと思うし、撮影、特にスナップを心掛ける人にとっては素晴らしいイベントだと思った。感謝。