今までの経験で人吉市中心部のヤマセミや、人吉市郊外でも1週間ほど通ってこちらを認識し警戒心の解けた個体は別として、支流部などのヤマセミ個体は100~150mの距離で間違いなく飛去してしまう。
そんな中、今回の湿地帯でのタシギ、タマシギ類はなかなか飛び去らないので驚かされた・・・と言っても筆者が近寄ったのではない、念のため。筆者はずーっと車の中から観察撮影している。
湿地帯に自生するクレソンを食用にカマで刈りに来ていた地元の杖を突いた高齢の方が近寄ったのだ。
クレソン自生エリア脇の枯草のドームに4羽のタマシギが寝込んでいる所にクレソン刈りの方が近づいた。もうこれはタマシギが飛び出す瞬間を観察できるとカメラを構えたが、なかなか飛び立たない。もうすぐで寝ているタマシギを踏んづけてしまいそうに成った瞬間4羽同時にバラバラの方向へ飛び立った。いわゆる離散した感じだ。
まとまって飛び出すと一網打尽になるから四方へ離散するのか、そこまで物事を深く考えないで飛び出すのかはよくわからない。
こちらの身にもなって欲しい、どの個体にフォーカスすればいいのだ?というか、ファインダーに個体が一羽でも入っているのか?
結局、数秒後に遠くで横に向かって飛んだ個体を一羽捕らえられたのがやっとだった。という訳で今日のレポートは飛び行くタマシギ。
勿論クレソン採収の方はタマシギが潜んでいるなど知る由もないし、興味も無かろう。だから野鳥が察知する危険光線を発していないのだと思う。これがカメラ片手に「何かいないか?」と目をランランに輝かせているバーダーは野鳥にも何らかの警戒心を抱かせる危険光線を発しているのではないだろうか?筆者は自分の経験上真面目にそう思っている。
しかしさすがに2mの距離はタマシギにとっても逃げるしか無かったのだろう。現実的にタマシギの潜んでいた枯草を踏み分けてクレソン採りの方はクレソン密集地に踏み入っているのだから、タマシギの判断は正しかったわけだ。
飛び出しはあっという間だ。この瞬間ばかりはほぼ勘でシャッターを押している。後で「オー撮れてた!」という訳だ。
羽根の裏が真っ白なのはヤマセミの雄で慣れている。
危機回避の飛び立ちは決して一方方向へ直線で出ない。ジグザクに飛び出るのが普通だ。
気が付いたら70mは離れた所を横っ飛びするタマシギにやっとレンズが追い付いた。
逆光だったが何とかタマシギと判別できる絵になった。
こうして1回目の飛び立ちは何とかレンズに収められた。この後2回飛び出すのも撮影出来ているがそのうちご紹介。タシギの飛び出しも収録できている。こうご期待。