数年前オーストラリアの西海岸へ行った際に撮影したミツスイ系の形に似ているヒヨドリなので、椿や桜の蜜を吸うのは納得がいっていた。
一方で柿の木の残り柿が熟しているのに群がっている図も良くご覧になっている事だろう。
こういった雑食系のヒヨドリだが、かっては貴族が愛玩用に飼育したと言われるほど人間になつく野鳥でヤマガラなどと同じらしい。
関門海峡などでは国内を大群で渡る様がニュースで流れたりする。その際ハヤブサに追われて捕らわれるものが出るのも有名な事だ。
今日のヒヨドリは人吉盆地の錦町にあるツクシイバラ自生地の回遊路沿いに生えている栴檀の実に群がっているのを撮影したもの。
このツクシイバラ自生地(公園?)附近は毎年5~7月にはツクシイバラ見物の方々で一杯に成る場所だ。
他に比べて広すぎ、元々が球磨川の川原で風も強い事から野鳥観察には不向きだが、ヒヨドリには事欠かない。
栴檀は葉っぱに除虫効果があるため植えると家にが寄り付かないので、人吉球磨地方では庭木にする事が多い。樟脳の原料になる楠木同様、肥後熊本では非常にポピュラーな樹木。同じ時期綺麗な花を咲かせる合歓木(ねむのきーマメ科)も多いが、これは匂いを好むカメムシが付く為庭木にされることは少ない。
白紫色の花が沢山付くが、これが全部あの丸い茶色い身になるのだ。しかし木の実にはサポニン毒があるのでヒヨドリ以外は食さないようだ。同様にサポニン毒のあるエゴの木の実をヤマガラだけが食べるのに似ている。
木の実の大きさではヤマガラには無理だろう。
こうして20羽ほどのヒヨドリが小一時間食べていた。
1週間後に同じ場所で撮影。ほとんど実は無くなっていたが、まだ食べに来るヒヨドリが居た。採餌環境が良いのだろうか?実を沢山残したままの樹も盆地内には至る所にあったが平均的には食べないようだ。