人吉から八代の野鳥に目を向けて最初のフィールド小鳥系がセッカ。初夏、干拓地へ行くと姿は視えないのにヒッヒッヒッヒッ♪という声がしたかと思うと、ジュン、ジュン、ジュン、ジュジュン♪と別の声の質があちこちに移動するのに出くわす。一瞬違う野鳥かと思うが実はこのセッカなのだ。セミのツクツクホウシのようなモノだと思えばいいのでは?
これがセッカというスズメより小さな野鳥、ほぼ留鳥なのだが活発な繁殖期の初夏以外、冬季はなかなか気が付かない。九州では真冬でも干拓地、田畑、川原の草むらに数多くいる。
人吉球磨のツクシイバラ自生地でも散々撮影したが、今年は姿が見られなかった。一方で八代市の金剛干拓地では数羽が日中盛んにアピールをしていた。
1時間ほどその行動を観察していると非常に面白い。この野鳥はその観察がない限りまず撮影できまいと思う。
まず風に向かってホバリングで上昇しながらヒッヒッヒッヒッ♪と鳴く。この段階でその存在を目視・レンズで捉えてフォーカスできれば、飛んでいる画像は撮れるだろう。
次にジュン、ジュン、ジュン、ジュジュン♪と鳴きながら降下・横っ飛びで田畑、草地の上を縦横に飛びまくる。これを追い写すにはツバメの飛翔をレンズで追い訓練する必要がある。
そうして草地の細い枯れ枝、しっかりとした草の上に留まる。で、この留まる場所はその個体が好む2~3か所と決まっているので、あらかじめそこに照準を定めておけば、数回に一回はそこに来てくれるので撮影は車の中からでも可能。
今回のセッカは金剛干拓地の畳に使用するイグサの畑の杭だった。杭に巣くう蜘蛛を採餌していた場面と思われる。先ず、留まっているセッカから。
最初チョコッと杭の後ろから姿を現したセッカ
木の割れ目から蜘蛛らしきものを採餌
しばらくした再びやってきて餌探し
イグサ畑の杭、後ろはイグサ
一瞬目が合ったが、そのまま居続けたセッカ