2020年12月20日日曜日

新しい洪水調整用の川辺川ダムの考え方が示されたようだ。 It seems that the idea of the Kawabe River dam for new flood control was shown.

  あの7月4日の球磨川豪雨洪水から5か月半が経とうとしているが、国交省から新しい洪水防止用の洪水調整のみの機能を持つ大型ダムの概案が示されたようだ。

 簡単に言ってしまえば、従来の川辺川ダムの満水時の容積貯水が可能にしつつ、通常時はダム湖が無いただのコンクリートの壁のダムが存在し、下部の穴から今まで通りの川辺川の水が流れるというスタイルだ。

 要は、従来規模の川辺川ダムは造るが水を貯めないという事だ。ダム設計と建設に関してはもちろん全くの素人の筆者だが、満水時の水圧に耐える構造にしておいて、普段水を貯めないでおいて、何か弊害が出ないだろうか?大雨洪水時にゲートを閉めるというシステムの実際のテストはいつどうやって行うのだろうか?テストを行うと称して満水にして、せっかく貯めたのでもったいないから、しばらくそのままにするなどという詐欺まがいの事をされるのではないだろうか?信用ならない国交省だけに地元の方々は、あらゆる想定下で先を読んでおいた方が良い。

 同時に、普通の河川でよく見る砂防ダムなどはあっという間に土砂でダム堰堤まで埋まってしまっているが、その辺りのメンテナンス対策が可能なのだろうか?未知の領域がまだまだ沢山あるように思える。

 更に、物理的にどんな豪雨でも数時間で本来の貯水量の水が貯まるとはとても思えない。今年の豪雨がどれだけ続けば満水状態になるのだろう?もし物理的に考えて2週間も続かねば満水になど成る訳が無いのであれば、それほど頑丈で従来考えていたような費用の掛かる大きくて背の高いダムはいらないのではないか?

 その辺り、ダムに掛ける予算を減らせれば、その分川床掘削費や高台住み替え移転費などほかの洪水対策に予算を割けるのではないだろうか?そういった総合的なプランは誰が考えているのだろう?熊本県庁を筆頭に、地元行政の役場の人々や政治家・議員の中にこの部分をしっかりと考えている人が一体どれだけいるのだろう?よそ者ながら気になって仕方がない。

 貯まった水圧下に於いてゲートが開閉できるのだろうか?機械的に水圧に耐えるゲートなど出来るのだろうか?疑問はいくつも残る。どこかに結局は貯水型のダムにせざるを得なくなるような仕掛けを組み入れてはいないだろうか?地元の方々は常に国交省のダム建設の推移を注視しないといけないような気がする。

 色々やっているうちに、いつの間にかもったいないから水を貯めようではないか?などというバカげた話に成りはしないか?地元に住んで居ない筆者だがどうも気にかかる。

 ダム建設で一番潤う建設業界は11月の段階で浮つき始めて居る。「ダムさえあれば」に地元の皆が変な常識で納得ししまう事を憂える筆者だ。穴あき流水型ダムが川辺川に一か所出来て、今年と同じ豪雨がダム完成後同じ流域を襲った場合どうなるのか?正確に細かくシミュレーションできる人は地元にいるだろうか?

 


昨日12月19日の熊日新聞電子版の一角に11月の記事が出ていた。

のど元過ぎれば熱さ忘れる・・に成らないように、流域の方々の踏ん張りを期待したい。‥と此処で最新情報!
 ブログを更新した直後、今朝に成って届いた熊日新聞情報、何と穴あき流水型ダムに関する未知数評価報道が出ていた。筆者が懸念していることそのままだったので、心配しているのは一人だけでは無かったと思い安心した。今後も注視したい。