2020年3月18日水曜日

ヤマセミの求愛給仕を対岸から観察。 Observe the courtship feeding of the Crested kingfisher from the other side.

 求愛給餌を一体どう訳すのかと当てずっぽうで翻訳アプリに「courtship feeding」と入れたら合っていたようだ。これはヤマセミやカワセミだけではなく、多くの野鳥でも行われるようだ。

 細かいことだが、この求愛給仕はメスが待つところに雄が持ってくるのか、はたまた雄が餌を咥えている所にメスが飛んでくるのか?過去のデータを調べてみたら、雄が餌を咥えてメスが待つところに飛ぶケースが3通り。逆に雄が餌を咥えてメスを呼び、メスが飛んでくるケースが22通りで、圧倒的にメスが飛んでくるケースが多いことが判った。

 今回のケースは後者のパターンで、木の枝の密集している所で枝被り画像なので細部は判らないが明らかに求愛給仕の典型的なケースだ。

 このつがいは、この木をこよなく愛しているようで、ほぼ毎朝この木を中心に繁殖期を過ごしているようだ。しかし、営巣している巣穴はこのカップルに関しては全然わからない。

 地元で毎日観察され、メールで情報をお送りいただいている辻ご夫妻、古江さんも巣穴の場所は把握されていないようだ。行動半径の非常に広いカップルのようだ。

雄が餌を咥えて川下から飛んでくる。

お気に入りの小枝の多い木に到着。盛んに泣いてメスを呼ぶ。

その30秒後、川上150mほどからメスがすっ飛んでくる。

あっという間に求愛給仕、餌の授与。

メスはしっかり餌を確保。

ミッションを終えたオスはそのままダイブで鱗やぬめり取りのお清め水浴び。これを日に午前午後と繰り返す。このカップルはこの日夕方16時過ぎになって交尾。(昨日既報)

 求愛給餌のシーンは近寄ってアップでの口移しのシーンはいくらでも撮れるが、やはり生態観察となると、そういうアップ画像より生態全体の流れ、起承転結が判らにと意味がない。
 野鳥のほとんどすべてに一般的に共通する生態、たとえば力が入った場合「瞬膜」が閉じる・・などとは異なってヤマセミ・カワセミ類にだけ存在する「生態」を探し続ける毎日だ。