2018年9月15日土曜日

団塊世代のジジ放談、最近のスポーツ界あら探しは一体何なんだ? What on earth do you think about in recent sports managements troubles?

 日本アマチュアボクシング連盟の山根元会長の一件以来、メディアはこぞって日本のスポーツ界のあら捜しを始めた。A社がすっぱ抜けば、B社以下は上の指示で「他社が知らないスポーツ界のトラブル、不都合な真実を洗い出せ!」の号令の下、前々から問題になって隠し続けてきた問題から、でっち上げに近いものまで、もう世のメディアはちっくり合戦の様相を見せ始めている。
https://www.dailyshincho.jp/article/2018/07251658/?all=1

https://www.asahi.com/articles/ASL9D4DJBL9DUTQP01P.html

https://dot.asahi.com/aera/2018090300059.html

 ここで、あまりに目に余る記事が多いので一言いいたい!「スポーツ界のあら探しをしているメディア記者たちはどこまでスポーツ業界の常識を知っているんだ?」

 あの筆者と同じ団塊世代・田母神元幕僚長がTV番組で自衛隊の存在や価値観に関してスタジオの全員のバッシングを浴びたことがあった。さんざん皆に意見を言わせるだけ言わせておいてこう述べた。「今から5分間で良いですから私の話を静かに口を挟まないで聴いてください。良いですね?」これに対し司会者含めてスタジオの全員が了解した。

 おもむろに口を開いた田母神氏はこう言った。「現在の日本の銃刀法では刃渡り6㎝以上の刃物、8㎝以上のはさみを携帯してはいけない…となっています。持ち歩けば即逮捕されます、ましてその刃物で人を傷つけた場合は傷害罪、殺人未遂などで懲役刑を食らいます。それが一般的な日本の国民における約束事です。

 これに対し、自衛隊員は刃物どころか拳銃を含め重火器を持ち敵を倒すことを仕事とし日々訓練を重ねています。これは国を守り国民を守ることを目的としているからです。敵を倒す(=殺すことを含む)ことで階級が上がり、勲章を授与され、給料が上がります。基本的にあなた方一般の国民とは常識も考え方も環境も違うのです。 そういう相手にあなた方も自分たちと同じ価値観・常識を押し付けることが正しいかどうかよく考えてみて下さい。もちろん基地の外では一般の法律に沿って生活し生きています。それが人間としての当たり前です。」

 これでスタジオは水を打ったようにシーンとしてしまった。

 今のスポーツ界の一連の問題がチックリ合戦、告げ口合戦のように湧き出た現状がこの田母神氏の指摘したことに非常に近いのではないかと思っている。

 今のスポーツの世界のアスリートやコーチに対し、イジメだ、暴力だ、暴言だ、パワハラだ!と騒いで鬼の首を取ったように報道するスポーツメディア担当者。
 彼らは特訓と暴力の差、そうしてその考え方の違いを判っているのか?叱咤激励と暴言の違いを判っているのか?その一線がどこにあるのか判っているのか?

 もちろん、各スポーツ種目ごとの連盟・協会における権力闘争・派閥争い。それで権力を得た者の利権誘導・エコひいきなどは別の話だ。ボクシングの山根元会長事件の後、テレ朝のスポーツキャスター宮嶋泰子が総攻撃を食らった女子体操業界の利権者醜聞事件などもこれにあたろう。いずれもアスリートやコーチ・支部責任者たちがあまりの現状に行動を起こしたのが発端となっている。これはこれで今後も「黙ってては駄目だ!」と思う勇気のある人間たちが立ち上がることでどんどん改善されて行こう、これは非常に良い事だと思う。

 これはスポーツに限らず芸術の世界、音楽の世界、写真の世界、文化・教育の世界でも、政治・金融の世界以上にドロドロしたものがあるだろう。利権・権力のヒエラルキーが自浄作用で正常な形に戻るのだから大賛成だ。

 しかし・・・、アスリートとコーチの関係をよく知りもしないで、一瞬の状況を見ただけで、自分たちの価値観と常識で判断し「いじめだ、虐待だ、暴言だ!」と決めつける最近のメディアの出過ぎた報道には我慢がならない。
 犬の調教・訓練と虐待の違いを判っていない者が騒いでいるのと何ら変わらないのではないだろうか?

 例えばだ、筆者は1964年東京都立広尾高校に入学し、バレーボール部に所属した。陸上でハイジャンプだけは狩りだされて試合に出たが、クラブ登録はあくまでもバレーボール部だった。この1964年は東京オリンピックの年だ。代々木の小体育館など球技会場、さらには当時のJOC本部があった岸記念体育館から一番近い天井の高い体育館としてわが母校・広尾高校の体育館に白羽の矢が当たり、大松監督率いる「東洋の魔女」たちが週末日曜日になると練習に来た。

 筆者の所属するバレーボール部には願ってもない事なので率先して部員がコートを囲んで球拾いをした。オリンピック直前に3~4回そういうことがあった。大松監督はもちろん河西や宮本、谷田、磯部といったTVでもおなじみの選手たちと同じ時空間を共有したのだ。
 そうして、オリンピック本番が近づいて練習の最終日が終わった際、大松監督と河西キャプテンが球拾いをした我々にお礼として特訓をしてくれることになった。それは速いスパイクを如何に見極めレシーブできるようにするかという訓練だった。要は大松監督が上からレシーバー顔めがけて投げつけるバレーボールを直前まで目をつぶらず良く見て体を反応させるという訓練だった。一人10球!一発でも触れれば良し!触れなければバレーボールは無理だから辞めなさい!と言われた。

 結局筆者は4回はレシーブというかボールに触れられた。3発は顔と頭に当たった。これでも良い方だった。頭に当たってひっくり返ったものもいた、耳で受けてキーンとしばらく音が聞こえなかった者もいる、逃げ腰で構えたものには危険なので容赦なく罵声が浴びせられた・・・、しかしこれを関係ない人間が見たら何と言う?特に今のメディア記者は暴言だ、苛めだ!虐待だ!というのではないだろうか?

 やりすぎだとか、暴言だとかの基準をスポーツをしている当事者以外に勝手に決められてたまるか?筆者はそれを言いたいのだ。どの世界に上手くなりたくない、強くなりたくないアスリートがいよう?どの世界に自分のコーチしたアスリートに強くなって欲しくないコーチが居ようか?

 確かに野球やサッカー、柔道、ボクシングなど激しいスポーツには昔からのしごき、特訓が存在する。残念ながら最近の若きコーチには男女の見境なくセクハラ以上の接近問題を起こす馬鹿者もいる。これは昔も今もそう変わらないだろう、メディアに見つかって記事になるか否かの時代の差だ。あなた方は長嶋監督の死の特訓守備練習を全面的に否定できるか?漫画「巨人の星」の大リーグ養成ギブスを非難できるか?
 
 自分もさんざんスポーツの世界で揉まれていろんなスポーツを楽しんできた。バレーボール、サッカー、アイスホッケー、ウインドサーフィン、スノーボード。
 横浜国立大学時代サッカーでは1971年国体の神奈川県代表権を取れたし、神奈川県知事杯も獲得した。関東甲信越国公立サッカー大会でも優勝した。それなりに特訓を重ねた結果だと思っている。

 スポーツは本来楽しむもの、勝敗もあれば、1位やチャンピオンになって自尊心を満足させられる喜びもある。
 しかし一方で同時に気を緩めたり抜いたりすればケガもするし、疲れもする、スランプもあって辛い部分もある人間行動だ。スマホなどで楽しむコンピュータ・ゲームとは訳が違うのだ。
 VRだのゲーム機器でしかスポーツもどきを楽しめない人間に、生の体を張ったリアルのスポーツそのものの事など判るわけがない。最近のスポーツ報道は自分でその種目のスポーツをやってもいない耳学問の知識だけで記事を書きすぎだと思う。書くなら最低でもそのスポーツをあるレベルまでやるべきだろう?

 サッカーのワールドカップ記事だって、サッカーを実際にやってもいない聞きかじりの受け売りだけで書いている評論家や記者のなんと多い事か?

 今、報道で我先にスポーツアスリート・コーチ間のトラブル・不祥事をあら捜しし、告げ口のような記事を出し続け、スクープだと叫ぶ不勉強な記者たち。
 誰か歯止めをしないとこの先日本のスポーツ報道はえらいことになりそうな気がする。

 例えばバスケ選手の買春問題、確かに日本のユニフォームを着て夜の繁華街に繰り出す選手にもあきれるが・・・かの田母神氏が登場している。本音のコメント!
http://news.livedoor.com/article/detail/15194171/

 全米オープンテニスで優勝した大坂なおみとサーシャ・バインコーチのように出来ないか?と言った不勉強な記者もいる程、今のスポーツ記者は何も知らないで人を叩く。

 USオープンなどの本番に出るアスリートは、技術面ではすでにトップアスリートに這い上がってくるまでに地獄の特訓を終えている。メジャーな大会だからこそメンタル面の調整が重要でバインコーチのような存在が必須なのだ。

 錦織圭にしても大坂なおみにしても、全米オープンに出場できるまでの数年間、どこでどういう特訓や血の出るような苦労を重ねて来たか調べればすぐ判ること。
 その特訓の最中コーチから何を言われ、何をされても辞めなかったこと自体がスポーツという特殊世界の特殊な関係を乗り越えてきたと言う事だ。チャラチャラ表面だけ見て騒ぐスポーツ記者たちなどがとても及ばない届かない世界なのだ。

 もし、暴言や特訓、教育上の指導がすべて駄目なら、あのシンクロナイズドスイミングの素晴らしい成果を上げた井村コーチの言動をどうとらえるのだ?東洋の魔女たちを育てた大松監督をどうとらえるのだ?
 スポーツの世界を記者仲間同士の会話や表に見える行動だけで簡単に批評されてはたまらない、田母神氏と同じような感性をもってバカ記者どもに判りやすく説明できるスポーツ評論家は居ないのか?

 これら評論家として飯を食っている者たちがきちんとこれらの事象を評論できないところにも大きな問題があると思っている。まさかそういう団体上部と癒着してしまっていてモノを言えないなどと言う事ではないだろうな?