しかし、それも現れたり現れなかったりなので気まぐれと言われても仕方がない。野生動物の行動は一般的にそんなもんだ。安定して同じ場所で行動するのは、やはり10月後半以降だろう。過去9年間のデータがそれを示している。
今回9月頭は4日間で2回ほど10分間ほど姿を現してくれたが、やはり冬季が一番確実だろう。いくらヤマセミにしては人慣れしているとは言うモノの、普段見慣れない人間が7~80mの距離に来れば、あっという間に飛び去ってしまう。
しかも何か異変を察知し、飛び去ればもうその日は戻って来る事は殆ど無い。
つい最近人吉の古江さんが撮影されたヤマセミと辻先生。ヤマセミ神社への石橋を渡る辻先生の姿を視ながら「あ~、いつもの人間だ」と危機感を抱かないヤマセミ。飛び去らなかったという事だ。これがほかの人、例えば筆者が行ってもあっという間に逃げ去る。ヤマセミは人を視るのだ。
矢黒神社、別称ヤマセミ神社への参道を行く辻先生を奇跡的にヤマセミ越しに撮影された古江さんの貴重な画像。辻先生は全くこの時ヤマセミが居る事に気が付かなかったという。いわゆる動物的な殺気や気配を全く出していなかったのだろう。野生動物には解るらしい。
個人宅の小屋をハイド代わりに拝借して撮影したフェンスのヤマセミ。
こちらの人間らしい気配には気が付いてはいるが、いつものその小屋の持ち主の動きと思ってあまり警戒するようでも無かった。こっちを意識している時は決して動いてはいけない。
これはまた別の場所で撮影した同じ様なフェンスに陣取るつがい。
何かに向け突進をした所を見ると別のヤマセミを発見したのだろうか?