2016年6月19日日曜日

団塊世代が思う最近のおかしな事象の数々と私感。  It is a feeling of mine and baby boomer's consider about many latest strange phenomena.

 まずはすっかり報道シーンから消えつつある熊本地震。4月14日から始まった今回の大災害、メディアも初日のNHK熊本の中継のインタビューア―、現場報告のあまりの酷さに始まり、メディア取材に対する被災者の実力排除トラブル、報道陣へのSNSでの攻撃が今迄に無い現象だった。         



更には著名人の応援投稿に対する「不謹慎叩き!偽善者攻撃」必ずこの手にはSNSが絡み、一方的に叩いた後は今度叩いたグループへの叩き返し。色々な意味で東日本大震災時には無かった第3者・傍観者=野次馬と思われるSNS(=主としてスマホユーザー)中心の叩き合い、罵り合いが多かった。

 被災者はスマホのSNS等見て居られないほどの打撃を受けてしまっていて、お気の毒としか言いようは無い。こんな中で3週間も経たない内に、何処からともなく「風評被害が怖い、風評被害の為熊本に観光に来てくれない・・・」という現地の関係者のインタビューが在ったが、これはちと違うと思う。箱根の地獄谷の地震+噴気異常の際にも土産物屋の関係者が言っていたが、熊本にしろ箱根にしろ、地震はまだ続いている。風評ではないのだ、まだ地震は真っ最中なのだ。
今迄のが全て今後来る大震災の前触れだという事も充分あり得るのだ。

風評被害どころか、観光気分で行って大きな揺れに遭い何かあった際に「風評被害で・・・」と言った人はどう責任取るつもりだろう。風評被害とは全くヌレギヌだ!と言える場合にのみ使うべきであって、熊本への観光客数が減ったのは風評被害ではなく危険が続いているからだろう?メディアはすぐに「被災者側の目線」で報道をする。報道を直ぐ真に受ける一般庶民はこうして騙される。

 地元の新聞に出ていた。取材マスコミに辟易し、避難所や被害を受けた被災者宅にマスコミが来ると、いきり立った被災者が怒鳴り返したり凄んで追い出したりする中「私はマスコミではありません、熊日新聞です!」と叫んで取材させてもらった女性記者がその一部始終を記事にしていた。本末転倒、信じられ無い不思議な現象が起きているのだ。

 風評被害で言えば福島エリアで捕獲されたイノシシなどの肉の放射線量が基準の4倍以上あり、食べない様に厚生労働省その他からつい今週、注意・指示が出ている。イノシシなど野生の動物は何を食って生きているのだ?木の実や根菜・葉野菜などだろう?当然人間が畑で作っている作物も野生の植物も同じだろう?
 後から後から出てくる福島原発関連の新事実、それも責任の所在のはっきりとしない「実はこうでした!」という危ない危険な話ばかり。原発事故、放射能汚染を隠すために誘致したとしか思えない2020年東京オリンピック。チェルノブイリ原発事故のその後の情況と比較し視ながら各個人個人が己の行動、生き方を判断決定しなければ、今後何が在っても、だれも責任など取る訳が無い事は火を見るより明らかだと思う。

 どこかで、マスコミが絶対に流さない首都東京の「今そこに在る危機」をまとめて証拠を付けて報道してほしい。舛添要一がマスコミの総叩きで知事をクビになったり、甘利大臣の話がうやむやになったなどという、劇場型マスコミリンチ・茶番の様なモノはもう良いから、命にかかわる「今其処に在る本当の危機」をメディアは報道してほしい。

 もう一つの話としてシングルマザー母子家庭の精神苦、生活苦のマスコミの取り上げ方が偏りすぎているという話。2010年に両親が二人とも居る家族・家庭は1447万世帯。一方で親が母親のみの母子家庭は76万世帯。この76万世帯のうち離婚(死別は別)でそうなった世帯は80%、60万世帯を超えている。

 マスコミがシングルマザーの苦労・貧困を盛んに取り上げ実例をインタビューしながら、何とかしなければならない現状として訴えてる。
 しかし離婚後の子供が背負う負い目と苦労・難儀・リスク、その先に控えている生活設計を碌に考えもせず、自分が忍耐できなかったが為に行動した結果、置かれている現状を、「世の中がおかしい、もっと救いの手を差し伸べるべきだ」というマスコミの一方的な報道には賛成しかねる。これは父子家庭、であろうと母子家庭であろうと一緒だろう。

 かのアルマン・サラクルーがこう言ったのを思い出す。「人間は判断力の欠如により結婚し、忍耐力の欠如によって離婚し、記憶力の欠如によって再婚するのだ・・・。」

 中には酒癖が悪く、家庭内暴力をふるう父親も間違いなく居ただろう。しかしそれはある日突然そうなったのではなく、付き合い始めた頃からきちんと相手を見ていれば判っていた筈だ。同時に、そういう人間は、ほぼ同数母親側にも居るはずだ、これは男側だけの問題ではない。

 どの夫婦にも一度や2度に限らず必ずある離婚の危機を乗り越えて、我慢し努力して「子供には絶対両親が必要!」と夫婦で話し合い、危機を乗り越えている家族が圧倒的に多いのだ。こうして20倍以上いる普通の家庭は一体何なんだ? 95%も存在する物言わぬ多数派家庭には、問題や苦労や貧困がまるで無いかの如く報道する今のマスコミの姿勢は???が沢山付いてしまう。

 不正規雇用の問題もしかり。正当な方法で就職戦線を勝ち上がって来た正規雇用社員が、まるで悪者かズルをしているような報道の持って行き方も、似た様な感じがしてしかたがない。就職希望者の溢れる大都会で非正規雇用社員の道を選んだのは自分だろう?
 オリンピックで予選落ちした選手が、メダルを取った上位入賞者を悪く言うようなものだ。

 非正規社員の道を選ばざるを得なかったと言い訳をする者も在ろうが、人口の多い、就職希望者の多い大都会で仕事に就く就職環境は雇う企業側にとって「買い手市場」なのだ。 何倍もの倍率の大学入試で第一志望に落ち、予備校へ行き再起を志すか、やむなく第2、第3志望で我慢するのと同じだろう?入試も就職試験も落ちた段階で「身の程」を認識する事が大事だと思う。今の人間たちは己が可愛いのだろう、自分を実力以上に評価しすぎだと思うが如何だろう?己を買いかぶってどうする?
 例えば、1970年頃団塊世代の大学入試時代、東京の高校を出て北海道の大学、九州の大学へ行ったクラスメートが沢山いたし、落ちたにせよ激戦区の東京の大学を避け、遠方の大学をあらためて受験した者は沢山いた。就職においても全く同じ事だろう。

 日本国は大都会の会社勤めしか職が無い国ではないだろう?農業や漁業、1次産業、2次産業いくらでも在るだろう?何故都会でしか職探しをしないのだ? 非正規雇用で文句を並べる者たちは自分が生計を立てる仕事を選ぶ際の優先順位が自己中心的で間違っているのではないのか?大都市を離れれば仕事の種類も量も増えるのに、大都会で生活したい、大都会で職を得たいという人間が多いからこうなっているのだろう?
 メディアは根本的な部分を掘り下げないで、表面的な現象や職探しの我が儘ばかりを書き立てている様な気がする。