これは野鳥に限らず、動物すべてに共通の本能だろうと思う。小学生時代小倉市(現在の北九州市)の製紙会社社宅に住んでいた当時(昭和35年頃)、各家に会社から石炭風呂用の薪(木材を輪切りにしたもの)を馬車で配給していた。
此の馬車が近づいてくると、我が家の飼い犬はウマの姿が見えないのに、ビビッて庭の隅で震えていたのを想い出す。野生の勘なのだろう。
しかし、生まれたばかり、巣立ったばかりのヤマセミの幼鳥は天真爛漫、怖いものなし。何処へでも行くし、何にでも興味を示す。親鳥は大変だ。親は幼鳥達が自分の眼の届かない所へ行こうものなら、すっ飛んで来て空中で体当たりして川の中に叩き落したりする。ヤマセミの幼鳥教育は超スパルタ式だ。
今日のブログは、ヤマセミの幼鳥が隣に飛んで来たコサギの威嚇に全くたじろがず、気合いで対峙した結果、思わずフンと目をそらしたコサギに愛想をつかし、飛び去るまでの短いドラマをご紹介。この間26カットを収録した。
この岩に先に居たのはヤマセミ。其処へコサギが上から「どけよ!」とばかりに舞い降りて来た。しかしヤマセミ幼鳥は興味深くじーっと見入ってしまう。この対峙は8カットにも及ぶ(連写ではない)。
ヤマセミの幼鳥が物怖じせず退かないので、全身を震わせて大きく見せるコサギ。結構長く震わせて威嚇していた。しかしヤマセミは無視!
再びヤマセミ幼鳥がじーっと見入ると、目線をそらすコサギ。
今度はコサギが、ガン付けをするとヤマセミ幼鳥が無視!
で、今度はヤマセミ幼鳥が見返そうとするとコサギはあっち向いてホイ状態。フンという感じだ。
ヤマセミ幼鳥は遊んでくれそうもないと、隣の岩に移動した。コサギがいつまでも見送っているのが数カット画像として残っている。
同じ様なササゴイが相手の場合でも、ササゴイが興奮して冠羽を逆立て全身を震わせて威嚇している。これを見て初めて「マズいのか?」とヤマセミ幼鳥が場所を移動した。しかし画像を見る限り決して逃げる様な感じではない。