他の場所では観られない深山の希少野鳥ヤマセミが、3万人を超える人口を有する盆地都市人吉市の街のど真ん中を飛び交う稀有な事実をベースに、その貴重なヤマセミの繁殖保護と、球磨川及びその支流川辺川を始め数十本の支流が日本一の清流であるからこその自然を今後も守っていく意味で今回の人吉市の決定は非常に大きなものと言えよう。
この場を借りて、中心的に動かれてきた人吉市の古江之人さん、同じく辻医院の辻正彦さんにお祝いを述べたい。同時に野鳥研究家の立場から常にヤマセミの生息環境の劣化に気を使われてきた、球磨川下流域の八代野鳥愛好会の高野会長にもお祝いを述べさせて頂きたい。
ヤマセミの魅力に取りつかれ、東京から通いでヤマセミの生態研究をしている筆者にとっても、こんなに早くヤマセミが人吉の市の鳥に加えられるとは思ってもいなかった。人吉市役所の方々にも感謝申し上げたい。
いずれ、正式に制定されセレモニーも行われる事と思うが、人吉市のヤマセミと八代市の市の鳥カワセミが、球磨川という水質日本一の清流グループに入った事と相まって、今後何らかの形で相乗効果を生んで行く事にも期待したい。
こうした、官民一体になった野鳥に関する繁殖・生息保護につながる活動は、全国でもあまり例がないと思う。人吉の野鳥愛好家の皆さん、市役所の皆さんのコミュニケーションの良さあってこその快挙ではないだろうか?
筆者としても、何らかの応援をしたく、現在人吉市内で飛び交うヤマセミやカワセミの画像を集めて、新たな写真集を編纂しようと思う。例によって自費出版し無償で配布する予定だ。※画像はまだサンプル版
現在210mm×210mm A4変形で5~60頁構成で編纂中。人吉市中心に無償配布予定を考えている。
そういう訳で、今日のブログは、強い西陽の当たる林の中を飛ぶ、木漏れ日の中のヤマセミ。生態観察的にはどうしようもない画像だが、木漏れ日の中で見え隠れするヤマセミの姿というのも、実は非常に珍しいのでご紹介してみたい。
もうカメラのレンズではこれが限界!肉眼よりもコントラスト、明暗の差がくっきり出てしまう為、こういう環境下での撮影では非常に辛い。たまたま、光が当たっている部分を飛んで通過してくれたので撮れたもの。雰囲気だけはお判り頂けると思うが・・・。