今回人吉近郊の相良村を流れる川辺川中流域で、ヤマセミがカラスに4度も連続で襲われいずれも水中に没することで逃れきった決定的瞬間を撮影することが出来た。今日の画像はまずそのさわり、つまり予告編と考えて頂きたい。
今回の4回の攻撃はちょうど計ったように真横からのケース、真後ろからの撮影、正面からの撮影などあらゆる角度からうまい具合に撮れているので学術的にも面白い資料になるかもしれない。前にもカラスに追われて採餌した餌を咥えたまま水中に没し逃げたシーンを目撃していたが、証拠写真があってこそ詳しい分析ができ、説明も出来得るものと考えている。
今年出版した写真集に餌を咥えたヤマセミがその餌を狙って横取りに掛かったトビから餌を放棄することで逃れた画像を一連で紹介したが、今回はそれとは違って起承転結の最初は全然違うシチュエーションだった。これらは今日以降の詳しい状況説明を参照されたい。
場所は川辺川中流域としておこう。人吉市内から車で少し走らなければ現場へは行けない。平坦な広い場所ではなく両側が高い崖のエリアで太陽の光は午後4時には全く差し込まなくなってしまう場所。日常からトビやミサゴ、カラスが結構飛び回っているエリアだ。
きっかけの場面は次回以降に回し、今回は一番判りやすい真横からのシーンを掲載する。
まずはヤマセミを高い位置からカラスが追いかけ威嚇している。ヤマセミは水面ぎりぎりを飛翔、いつでも水中に逃れられる態勢でいる。
ある一定の距離を超えると、いきなり水中にダイブする。しかし詳細は後日解説するが、まっすぐダイブせずダイブと同時に180度反転するようにダイブしている。
ダイブして2コマ目、秒間6コマのカメラなので0.17秒後にはカラスはまだ前方への飛翔体制のままだが、ヤマセミは水中で既にくちばし・頭が逆方向に向いているのが見て取れる。
その0.17秒後にはヤマセミは水面から出て一目散に真逆の方向へ飛翔を始めている。この一連の画像でヤマセミの脅威からの離脱反転技術の凄さを知った。