2020年11月14日土曜日

典型的なヤマセミのダイブを分析してみよう。 Let's analyze a typical crested kingfisher's dive.

  ヤマセミの生態観察を行うようになって早いもので10年が経った。当初はダイブする姿を追い写しても10カットのうち2カットくらいしか写っていなくて、しかも尻尾だけだったりつばさの端だけだったりもした。

 しかし人吉に通って、朝から晩までダイブの様子を撮り続けているうちにタイミングを合わせられるようになり、無駄なカットは殆ど無くなった。不器用でも修練の成果はきちんと出るのだ。しかし、まだ今でも途中でダイブを止めて元の場所に戻ったりする場合は「アレッ?」と見失ったりする事もある。ここ3年は照準器をつけて追い、ファインダーを覗きながら撮らなくなったので、いくらか効果が上がっている。

 今日のダイブはまだ照準器など使っていない頃の追い写しの成果。

 採餌ダイブの高さは人吉界隈では7m以上が普通で、橋の橋梁や橋脚からだと10m以上はざらの事。一番高低差のあるダイブは人吉城址の川から10m以上の石垣の上に生えた、高さ15mを超すほどの樹木のてっぺんから真下の球磨川へダイブした高低差30m以上の記録が静止画で連続収録されている。この際は採餌に見事成功した。他の場所で他の個体がこれほどの高低差ダイブをしたのを観ていないので、この個体特有の獲得形質なのかもしれない。2度ほど撮影してある。球磨川のヤマセミの行動力は同じヤマセミの中でも相当図抜けている様だ。

 今回は球磨川支流部でのダイブ。

 パソコンが無ければこういう連続でヤマセミの動きを分解して視る事は出来ない。各カットの主要なものを1カットずつ下に表してみる。

 初冬と言って良い頃の早朝、東京より日の出が40分遅い人吉界隈では日が当たったヤマセミを撮るには7時半過ぎに成る事が多い。

朝陽を浴びて架線上にたたずむ初冬のヤマセミ。

やにわにダイブ!

体をひねりながら・・。

突然ブレーキを掛けてスピード調節と狙い定めを瞬時に行う。

暫くスピードを落とした後・・・。

土手の日陰に成った辺りで一気にスピードアップ!

最後まで微妙に向きを調整。

日陰の川底に居る獲物がどうして架線上から見えるのか?不思議。これを繋いだものが最初の縦長の画像。