2018年10月21日日曜日

団塊世代はRIMOWAのサービスで日本とドイツのあまりの差に驚いてしまった。 The baby-boomer generation was surprised by the difference between Japan and Germany receiving the service of RIMOWA of Germany.

 友達がブータンへ旅行するというのに重たい中国製の二輪・布スーツケースを用意していると聞き、東京ー人吉間を既に60往復し、さんざん使いこなしているRimowaの四輪スーツケースを貸して上げた。ポリカーボネイト性のネイビーブルーの63Ⅼサイズだ。2007年ヨーロッパで買ったもの。

 最初のRimowaは世界室内自転車競技選手権大会の日本開催の準備で2000年ドイツのシュツットガルトの隣町ベーブリンゲンへ1週間出張した際に購入したもの。ちょうどこの年ポリカーボネイト製のケースが発売に成ったが、シュツットガルトではまだジュラルミン製のケースしか街中のショップには出回っていなかった。

 ジュラルミン製の方が高そうに見えたし価格に対するコストパフォーマンスも遥かに良いと考えたのだろう。現在ではむしろポリカーボネイト性の方が使いやすいと感じているが愛用者全体としてはどうだろう?

 現在、ジュラルミン製が大小合わせて4種、ポリカーボネイト性が2個あるが、そのうちブータン行きに貸したのがチャックのスライダーが壊れ、2000年シュツットガルトで購入のジュラルミン製の62Ⅼ世のカギがバカになって掛からなくなった2点を修理してもらうべく銀座6丁目のリモワリペアに運んだのだった。中身はカラなので運ぶのは簡単だが大きいので1日1個ずつ運んだ。

 両方とも4輪なので、普段は転がすのだが、中がカラの場合、音響箱を引いている様なもので、物凄い音を発するのだ。そこで全て手持ち状態にして車で走らせずに三鷹から銀座まで運んだ。

 最初に持って行ったジュラルミン製のモノは3個鍵が在って、両サイドは普通の鍵(すでに紛失)で開けるタイプ。真ん中が3桁の数字合わせで開けるタイプだった。勿論USA税関用の専用キーTSAロックが付いていなかった時代のモノなので、TSA付きのキーに替えてもらった。
 両側の2個の鍵も新しく売ってもらった。

で、そのリペアに掛かった時間がたったの12分!新しい鍵を買うのは勿論簡単だが、3数字で開ける鍵の交換がたったの10分ってどういう事?
 まずはその新しいTSA付き鍵ユニットへの素早い交換と新しいカギ二個の価格たったの4100円(消費税別)に感動でショックを受けてしまった。一般的に18年前のスーツケースの鍵を失くしたら、普通はまずどうしようもないだろう?日本のメーカだと「製造中止でどうしようもありません」でオシマイだろうと思う。

 それが、Rimowaの場合シリアルナンバーをチェックすれば一発でどのキーだか判るのだ。そうしてちゃんとリペアショップに在庫を持っている!この素晴らしさ。

 だから、最初のジュラルミンのケースは持ち込んで20分足らずでお店を出てきた。2~3時間は掛かると思っていたので予想外の展開だった。
 翌日持ち込んだもう一つのポリカーボネイト版はチャックが破損したのだが、取れた部品残骸を持っていたので修理費は無料。なおかつ何処かでぶつかったのだろうか5cm程度の割れが在った部分は、裏からポリカーボネイトのリペア板を特殊ボンドで貼る作業が必要だが、通常は2週間も掛からないそうだ。これも修理代は無料。
 今回はそのボンドを造る特殊機械が壊れているため、1カ月半預からせてほしいという。でも全て修理は無料だ。工場から自宅へ発送する運賃1620円だけご負担くださいという。何というサービス!

 更に一番感動したのが、このリペアハウス年中無休なのだ。お客様は旅行客、その旅行客が困っているのに定休日など在って良い訳が無いと言う企業理念なのだろう。素晴らしい!これ以上の「おもてなし」など在る訳がない。

 旅行客が旅行先でスーツケースが壊れた場合のショックと困難を、一発で解決する企業がRimowa だった。

 すぐにこの時思った。筆者は今Canonのデジタル一眼レフカメラEOS1Dxをチェックと修理に出している。ヤマセミを撮影するのに4年間フル活用しているのでオーバーホールを兼ねて銀座のサービスセンターに持ち込んだ。結果は10月10日に預けて10月23日返却予定。実際は昨日連絡が来て今日日曜日が休みなので明日引き取りに行くとしても22日掛かる寸法だ。

 旅行客のスーツケースとは訳が違うのは重々承知だが、日曜日が休みって何?写真撮影愛好者は一日でも早く修理を終えて手元に欲しいのだ。客の都合は別に考えて、サービスセンターは日曜日お休みです…と堂々休む企業気質。病院だって緊急病棟があるように、社員の福利厚生はあるだろうが、順番にローテーションを組んで毎日サービスセンターを開く企業努力・サービスは考えないのだろうか?その場で直すRimowaのリペアとの差を感じざるを得なかった。Rimowaに出来て、世界企業のCanonに何故できない?

 こういった面で残念ながらCanonはRimowaに完全に負けている。しいて言えば「おもてなし」などとメディア受けするサービス精神を前面に出す日本だが、黙って365日リペアコーナーでお客様の購入したスーツケースを超スピード、超低価格で直せるRimowaを是非見習ってほしい。宣伝ばかりに金を使う分、少しでもサービスセンターの人員確保、修理サービスシステムへ回せないのかCanonさん?

 人口1200万人の東京に、たった二カ所しかないCanonのサービスセンター。新宿のサービスセンターを閉鎖などして、どれだけ消費者が困っているか・・・。良く反省してほしい。
ベブリンゲンで2001年鹿児島加世田市(現南さつま市)で開催の世界室内自転車競技選手権大会の打ち合わせに赴いた筆者。

なんとベブリンゲンの新聞に掲載されてしまった。来年日本で開催されるとの告知。其れだけドイツでは室内競技が盛んなのだろう。冬季には夜が長いからかもしれない。

2000年シュツットガルトで購入したRimowaの一部。

そのうち一番大きなモノを今回修理してもらった。

6丁目のRimowaショップの地下にリペア部門がある。

上下は普通の鍵式だが、このキーを失くしてしまっていた。


上が購入時付いていた旧式の三連数字キー。下が交換してもらったUSA基準のTSAキー付きの新しい物。

ジュラルミンのケースは12分で完了4100円で一件落着。

同じサイズのポリカーボネイト版は送料1620円だけで、修理費そのものは無料!Rimowa が高い理由が判った一瞬だった。しかしこういう事を知ってしまうと決して高くはない。