2016年5月28日土曜日

人吉市内のヤマセミ子育ては分散化の時期に入った模様。 The educational season of Crested kingfishers are progressing to individual and separate process.

 5月17日に人吉球磨エリアに入り、12日目にして初めて昼間の雨降りに遭遇。梅雨入り前の時期にしては奇跡的な事だった。もちろんヤマセミという白い部分に蛍光色を持つ野鳥は観察するにしろ写真撮影するにしろ、ピーカンの晴天よりうす曇りの方が望ましい事は経験者で在ればお判りになろう。ただでさえ白飛びを起こすヤマセミ撮影だもの、通常ですら1絞り落として撮影しなければならない中、五月晴れのピーカンは結構脅威だった。

 しかし、今日ご報告のヤマセミ大家族幼鳥教育の現場は南側に高い崖と樹木帯が在って直射日光はなかなか当たらないエリアで、撮影自体は好都合だった。早朝と日没前はその壁まで直射日光が当たるのでその時間だけ撮影を避ければ観察には最高の場所だ。

 3年前も6羽のファミリーの幼鳥教育を観察できた。今年も同じ数の幼鳥が育っているようだ。観察する方も初めてではないので、ヤマセミ個々の行動の意味を非常によく理解できた。ただ2羽で飛んでいるのではない、ただ3羽で飛んでいるのではない。二羽の争いの原因は?などなど奥の深いヤマセミの教育現場からのレポートを、今日はほんの少しご紹介。

日陰側の崖すれすれを一番左の親鳥が餌を咥えて、集合場所へ急ぐと幼鳥が列を成して後を追いかける。撮影する側は日に何度も繰り広げられるこの様をじっくり反復で撮影できると言う訳だ。しかし、川幅200mの球磨川本流。それなりの機材が必要となるのは致し方ない。200mmもしくは300mm程度の望遠で「これでいつも充分だ」などと言っている主義の方にはちょっと無理。

野鳥の詳細な生態を記録、つまり証拠に残す場合はせめてこの大きさは必要だろう。場合によってはデジスコ(デジタルスコープ)撮影も有効だと思うが、被写体のすぐ脇、周りの生態に目が行かなくなるのはちょっと不安だろう。役割を決めて数人で一緒に観察するのが良いかもしれない。

気が付けば5羽が集っている。親一羽、幼鳥4羽の構成。大概6羽目の親は高い所でこのファミリーを視ながら辺りを警戒していることが見て取れる。

先の2羽が飛翔訓練中の親子で、後ろが俺も参加させろという別の幼鳥の場合が多い。

時には、「なんで今、こんな所で縄張り争い?」と思いきや、親子の喧嘩だった。何もそこまで激しくしなくても・・・。と思うが、ヤマセミは親でも子でも切れるのは早いようだ!

親子喧嘩がヒートアップすると平気で1kmくらいは追いかけっこする。うっかりしているとまた別の2羽が来たかと錯覚してしまいそう。人吉ならではの光景だ。

こうして、球磨川下りの発舟所まで遠征してきたりもする。

慣れてくると球磨川下りが準備を始めても無鉄砲な幼鳥たちは平気で回りを飛んだりする。