2023年12月3日日曜日

団塊世代は築地場外市場の存在理由を視察・分析してみた。 The baby boomer generation inspected and analyzed the reason for the existence of the Tsukiji outer market.

  筆者は以前、上野公園不忍池の定点観察を続けていたため御徒町駅を利用することが多く、好みの魚介類は上野吉池、、上野松坂屋地下、アメ横を中心に利用してきた。暮れの最盛期のアメ横などは大混雑で、国内でも最高の混雑エリアと認識してきた。

 吉池では他には並ばない良い品が入り、アメ横では松茸中心に季節の食材がリーズナブルな価格で手に入る。シチューを作る際に必需品の牛の脛肉など大きな塊で手に入るため1㎏塊を良く背負って帰ったものだ。

 しかし2日前、久しぶりに築地場外市場へ行ってみて考えが変わった。全く変わった。

 筆者が築地市場へ行ったのは、まだ場内市場が在った頃、1980年頃の話だ。当時暮れの大晦日前三日間だけ素人が場内へ入れた時期があった。

 当時勤めていた外資系の企業の同僚に事情通が居て、発砲スチロールの箱を抱えて一緒に行ったのだった。当時買い込んだのは出来立ての新巻鮭一本、油紙に包まれた折れ数の子3㎏、大間の生本マグロを柵で二本。

 そうして場外市場へ回って黒豆だの田作りだの卵焼、海老串、わかさぎ筏串などおせちの材料を買い込んだものだった。数の子は多すぎるので近所に分けた。

 そういった懐かしい築地市場の跡地は今広い空間となって整地中だ。警備員さんに言って特別に入り口から内部を撮らせてもらった。現在東京都で一番広い更地だそうだ。

 1980年~2023年、50年以上経って時の流れをしみじみ感じた一日だった。

 で、場外市場の方へ歩いていくとはずれの駐車場に観光バスが18台。これ皆外国からの観光客のバスらしい。西洋人30%、アジア系70%くらいの感じだろうか?

 場外市場エリア(案内地図のエリア)へ入って人の数にぶったまげた。熊本弁で言えば「ごろ、たまがったばい・・。」もしくは「ワイライシャ!=※なんちゅー凄さ!を意味する子供の感嘆語」と叫ぶところだろうか?

 空気の酸素濃度が薄いのではないだろうかと思うほどの人の数。まるで祭りだ!暮れのアメ横の数倍の人混み、中に入れば動きが取れない。買い食い・立ち食い客の串が頭にササってもおかしくないし、文句も言えない感じだった。



 筆者は昔から国語の成績がいまいちだったので、これらを文章でうまく表現するのは無理がある。写真で感じていただければ幸い。

 こうして「すげーなぁ!人だらけ・・。」で、一周して帰ってしまえば、ただ築地場外市場を観てきた・・、で終わりだが、筆者はこんな海鮮マルシェ・テーマパークのようになっている築地場外市場の写真を撮って帰るのではなく、どういったモノをどのような価格帯で、どういう方法で売っているのかを調べるのが目的だったので、人混みに突進していった。

 魚介類販売を目的とした建物の中に入り、グルーッと回ってみた感想を述べよう。

① マグロは柵で売っているのが基本だが、1本1,000円、次が2,000円、と千円刻みで売っている所が多い。吉池のようにグラム表示で小刻みな値段の付け方はしていない。大鉢マグロ、本マグロ、インドマグロなどの表示はきちんとされている。冷凍物は無い。まさか築地へ行って冷凍マグロを買うバカも居まい?

 アメ横などでキンキンに冷えて真っ白になった冷凍マグロを「トロだよ!」と騙されて買い込んで解凍に失敗してどうしようもなくなった話を昔よく聞いたが、築地ではそう云う事は無い。

 大間のマグロの中落ちをスプーンでこそぎ落として売っていたが、100g1,200円だったのでやめた。

 格安寿司屋すしざんまいの築地喜代村の店頭でも大トロを売っていたが、高い上に柵の半分が真っ白の油身だったので気持ち悪くなった。

② カニは普通のズワイガニのほかトゲズワイガニ、タラバガニもあった。中国が輸入禁止にしているホタテ貝は生が吉池や都内の店より相当安く買える。大きさも大きいモノばかり。

③ 数の子は、折れ数の子が手をグーにした大きさ二個分くらい入って2千円程度。観光客は生の数の子なんて買わないので、あくまで一般庶民用のモノだろう。これは安い気がした。

④ その他、果物野菜は概してけっこう高め、肉類も牛は観光客用に串に刺して焼いて売っているモノはべらぼうな値段だが、一般客が買って帰れるものも決して安くはない。目黒白金台のドンキの奥に在る松坂牛の店の方がはるかに安い気がした。焼き鳥、カモ肉は安かった。


 こうした、昔ながらの魚介類物販の店と海外からの観光客目当ての「食のマルシェ」としての築地場外市場は全然違う一面を持っている。外人観光客用の丼や寿司などの価格はニューヨーク並みのレベルと言って良い。めちゃ高いのだ。どんぶりの平均価格が3,500円!


 いくら最高のネタで作っているとはいえ、その場限りで、ここでしか食べられないから、そうして超円安だから・・・。の理由があるにせよ、東京人にはあきれる価格帯だ。だから日本人は築地でどんぶり食べちゃダメ!マグロ三切れにシラスぶっかけただけの丼が1,750円だぜ?

 築地は余程心していかないと、懐の一万円札がどんどん飛んでいくよ!