10年以上野鳥の観察撮影を行っていると、偶然凄い場面に遭遇する事がある。筆者の場合はヤマセミが主体なので、ヤマセミどうしの縄張り争いや、ヤマセミがゲットした獲物を狙ってトビが追いかける、あるいはカワセミが飛んでいる所をヤマセミが追いかけて抜いていくなど信じられない場面に偶然出遭う事がある。
しかし今日ご紹介するのは猛禽類が小鳥を襲いハンティングする場面だ。既にハンティングが終わって、獲物を抱きかかえて飛び行く猛禽類の姿は今まで幾度も撮影している。オオタカ、ハヤブサ、チョウゲンボウ、ミサゴ、トビ、モズ等。
しかし、まさに猛禽類が小鳥系を追い回している現場に出くわしたのは、この時が初めてだった。
場所は今年の7月球磨川豪雨時にバックウォーターで氾濫した万江川が球磨川本流に流れ込む吐合(はきあい=合流地点)の近く。
万江川の河原の草地ギリギリに飛び行くアトリかアオジのような野鳥を猛スピードで追いかける猛禽に気が付いたのが始まり。ほんの40秒ほどのチェイスで追いかけていた小鳥なのかどうかわからぬが、最終的に数分後チョウゲンボウは獲物を下げて飛び去った。
土手の左にチョウゲンボウ、逃げる小鳥系は右端中段少し上
同様、左がチョウゲンボウ、右端中段が小鳥。
土手の道路すれすれに右へ逃げる小鳥系と左の桜の若木の所にチョウゲンボウ。
いわゆる戦闘機の空中戦と全く同じ。
実はこのシーン、土手の上に犬を連れて散歩中の女性が居たのだが、全く気が付いていない様だった。人吉ならではの自然の濃さなのかもしれない。
後ろに付いたら離れないチョウゲンボウ。
夕陽を浴びて黄色く光る二羽の野鳥。
暮れかかった西の空に戦利品を抱えて飛び行くチョウゲンボウ。まさに弱肉強食。