2016年11月2日水曜日

球磨川のヤマセミは何故高高度ホバリングするのか? Why does the Crested kingfisher of the Kuma River hoverling high highly?

 今回、球磨川本流のヤマセミが高高度でホバリングする姿を見て、ハッと気が付いたことが有った。それは人吉エリアの主な8カ所のヤマセミのホバリングする高さを見ていて思った事だった。これはちょっとした発見かもしれない。

 基本的にヤマセミは好んでホバリングする。特に川幅の広い人吉盆地内の球磨川及び川辺川では頻繁にその行動を目撃できよう。従ってヤマセミを良く観察し、その習性に慣れれば、ホバリングの画像は比較的撮影の余裕を撮影者にくれる意味からも、シャッターチャンスは多いだろう。

 その人吉盆地のヤマセミの各ファミリーのホバリングの過去の画像を紐解いてみると、基本的にその高さはほぼ似通っている。川面から4~5m程度が限度なのだ。それは孟宗竹や橋の橋脚程度からダイブして、その途中まで降りた段階で行う事が多いという理由。もう一つが漁師の刺し網干しの竹竿網干から飛んでのホバリングが多いからと思われる。

 しかし、ある特定の場所のヤマセミファミリーは、かって其処に川面から10mの高さに鋼鉄製のワイヤー架線が球磨川を横断して掛かっていたため、数年以上毎朝その架線上から魚を探し、見下ろし、上流に向かってダイブしていた。 そのため、そのつがいはその癖が抜け切れていないのだと推察している。架線が撤去された直後、幾度も勝手其処に在った架線の高さまで上昇してホバリングする様を見てこのブログにも掲載したことが有った。

 今回、撮影したホバリングも実に高い位置でホバッていたのに気が付いたのだ。…という事は、彼らつがいは今年の1月に撤去されて無くなったあのワイヤー架線の場所のファミリーという事に成る。そのワイヤーの在った場所から撮影した場所は7~800mの距離だし、ほぼ間違いない。

 あの筆者の傍まで平気で寄って来て2分半以上もお見合いをしたメスも今回の高高度のホバリングのオスも、無くなった架線に留まっていたあのつがいだという事がこれで確信できた。これにより彼らの行動範囲が殆ど地図上に描けるという事に成る。

 如何に留鳥とはいえ、その行動範囲などが地図上に描けるなどという事が可能なのは、その縄張りの正確さ、不変さ、個体の特徴、人間との共生が為せる業だろう。足環を付けずに生態観察できる稀有な野鳥としてもヤマセミは面白い種なのだろう。
こちらは高度ホバリングが得意なメス、年齢は6歳以上である事が確実。

この時は橋の橋脚からのダイブの途中なのでそう高くはない。

あの2分半お見合いをした筆者を認識しているメス。

こちらは上の3カットのメスの連れ合いのオス。

このオスは毎日お気に入りのこの電信柱や水銀灯からダイブ⇒ホバリングしているようだ。電柱のてっぺんは川面からの高さ15m以上に成る。

広い範疇を探せる利点があるが、スタミナと経験が無いと出来る事ではない。


ホバリングの途中であきらめてお気に入りの水銀灯へ戻っていった。

数日前にもアップしたこの画像でハッと気が付いたのだ。

人吉の他のヤマセミも決してこの高さではホバリングはしない。