2022年8月18日木曜日

ブログ開始から10年目に入って団塊世代が考える写真撮影について・・#11。 After 10 years since this blog started , baby boomers think about photography again #11.

 ▮ メーカーは高い広告宣伝費を使って高額カメラを売る割に、撮影マナー・ルールの啓蒙をしないのは何故?

 昨日は2020年廃刊になったカメラ雑誌(アサヒカメラ)の中での2018年における野鳥撮影に関するメディアとしてのイージーな撮影マナー・ルール警鐘記事をご紹介し、それら報道に関しての筆者コメントをご披露した。

 その中で、例えば車メーカーは自動車運転マナー、車事故に関しての最低行うべき啓蒙活動を怠っている、自転車メーカーは違法駐輪や道交法無視の運転などへの注意喚起・啓蒙活動をしないと嘆いた。

 カメラメーカーも同様で、鉄道写真撮影愛好家たち、野鳥撮影愛好家たちへの撮影ルール・マナー啓蒙・教育に関してあまりに何もしないという事を、今回このブログでご紹介したい。

 企業には普通広告・宣伝・PR費という項目があり、ビジネスとして順調に経営が成り立つよう、どんなに経営危機になっても銀行筋は人件費とは異なって、宣伝・PR費は意外にも大幅にカットしない。

 カットすれば売るための告知が出来ないという事でさらに経営が行き詰まるからという理由からだ。

 しかし、野鳥撮影者の筆者の立場から見て、ここに企業としての成すべきPRの方向と量があまりに矛盾している事を訴えたい。

 ここにかって数年前話題になったCanonの新製品広告宣伝コマーシャルがある。

 https://www.youtube.com/watch?v=9zHFlqKDu-E 

 カメラに向かってくるフクロウを撮影するオランダ人の女流カメラマンの動画は、当時野鳥撮影愛好者の間で相当な話題を呼んだ。「いつか俺もああいった撮影をしたいものだ・・。」「でもあんなドレッシーな格好で荒野には行けないから、本当は動物園で撮影したんじゃないのか?」などという声をあちこちで聴いた記憶がある。

野鳥撮影のベテランはあのフクロウは飼いならされた個体で、カメラマンのすぐそばに餌を置いてそれに向かってくる所を連写しているシーンという事を見抜いていたようだ。

これをコマーシャル撮影用の「ヤラセ」だと判る野鳥撮影愛好家は少ない。


実際野鳥撮影を長年行っているベテランはすぐにこの嘘を見破れるだろう。

 筆者も思う。まったく野生のフクロウがこんな状態でカメラメーカーの広告になるような都合の良いシーンを演出などしてくれない。NHKの「ワイルドライフ」や「ダーウィンが来た!」でも無理なシーンだ。

 熊本県の人吉市に12年間・300日以上滞在してヤマセミを観察撮影し、既に10万カット以上のデータ画像があるが、あんなに傍まで飛来した事は無い。

 しいて似たような経験と言えば、球磨川河口で約800m対岸から真っ直ぐ飛んできたオオタカが50mほど手前で身をひるがえして去って行った数年前の経験くらいだ。この際は500m/f4の大口径レンズの反射光に向かっての威嚇行為だと思うが・・。

 同じようなフクロウ族(猛禽類)でいえば九州でコミミズクを撮影した際Canonのコマーシャルの様にこちらへ向かうシーンが在るが、あんなに近くはなく200㎜以上離れている。 

 しかもカメラレンズを凝視して向かってくるなどというのは、おいそれと撮れるものではない。

2014年1月撮影

 2年前明治神宮でこの際もオオタカが筆者の真上を抜けて真後ろに降り、ネズミのような餌物を捉えたが、自然界ではめったにある事ではないし、その一部始終を別のカメラで横で撮るなどという事は不可能に近い。
2021年明治神宮での撮影

 しかし、茶の間のTVでこのコマーシャルを見た野鳥撮影愛好家の初心者たちは、胸躍らせてCanonのカメラを買えばこういったシーンを撮れるかもしれない…と思う事だろう。

 野鳥撮影のベテランはこの仕掛けを簡単に見破れるが、普通はそうではない。オランダ人のカメラマンを雇い、ロケして天候を待って高い費用を掛けて撮影したのだろう。 

 同じくCanonのカメラを使っている極楽鳥撮影で一部の人に知られるティム・レイマンでもこういったシーンは撮っていない。よほど被写体の野鳥の生態を研究して知らないと撮れないのだ。これは野鳥撮影愛好家のベテランは誰でも知っている事。


 で、これだけ「買わせるための広告宣伝」にお金を掛けてカッコいいコマーシャルを作っているCanonが、自社の消費者である野鳥撮影愛好家たちへの撮影マナーや法令遵守の啓蒙をどれだけやっているか?ここに資料を集めてみた。

A4裏表の1枚パンフ。

手帳サイズのマナーガイド。

中身はこれだけだ。小中学生相手の事しか書いていない。野鳥に関しても鉄道に関してもたったの1ページだけだ。「線路内などには立ち入らないようにしましょう・・・」で効くと思うか?法的に違反なのだから逮捕され罰則を与えられるとはっきり書くべきではないのか?真剣に防止しようという気配がまるで感じられない。

相当前の野鳥イベントで配布されたという手帳サイズのパンフ。内容は推して知るべし。

 社会問題化している鉄道撮影ファンや野鳥撮影ファンへはもっときついシビアな啓蒙パンフを配布すべきだろうと思う。イベント等の会場やサービスセンター・ショウルームだけではなく、すべての製品に分厚い啓蒙マニュアルを付け、次のような内容を付けるべきと考えるが如何?

① 撮影時に他に迷惑をかけるなど、法令に違反すると逮捕され罰を与えられる。

  例1.鉄道撮影で列車の運行を止めると・・・。罰則実例をはっきり示す。

  例2.鉄道撮影で邪魔な樹木や個人資産を破壊・・。器物破損罪の実例提示。

  例3.野鳥撮影で個人所有地侵入・・・。実例、逮捕例を提示。

② 大型眺望遠レンズの三脚固定失敗で、レンズがお辞儀し三脚ごと落下破損の例。

③ 木道のある制限エリア外に降りて撮影など条例違反と罰則提示。

④ 野鳥撮影で撒き餌などによる寄せ行為の実例と罰則。

 これらに関しての実例を厳しく表示して、罰を受けた事実などを示すべきと考える。高いカメラ機材を売って利益を上げている企業であれば、消費者が起こす社会問題に対しアリバイ程度の啓蒙活動ではなく、しっかりとした消費者教育を行うべきではないだろうか。

 メディアもこうしたマナー違反、法令違反の撮影者たちの使用機材メーカーを公表すべきだろう?そうでもしなければこの手の人種は減って行かない。