筆者は、珍鳥や迷鳥など希少野鳥の情報を得て、それを目的に集うような事は昔からあまりしない。全然しない訳では無いが、タカサゴモズ、ヤツガシラ、アカショウビンのみ知人・友人の誘いで同行し出遭えた事があった。勿論そういうお誘いが無ければいまだに出遭えてはいないだろう。
これは、どこか美味しいレストランに遭遇するのに似ている様な気がする。メディアで東に美味しいレストランがあると聞けばワッと客が寄り付き長い列が出来る。西にちょっと芸能人が褒めたレストランがあると聞くと、ワーッと客が集まり長い列が出来る。人気の内臓肉をサービスする神田神保町の「神保町食肉センター」のランチタイムなどもう毎日ビョーキとも思える列が出来ている。
人に訊いて列を作る、これって味覚は千差万別であるにもかかわらず己の味覚に自信が無い為、口コミやネット情報、テレビのグルメ番組情報の鵜呑みで列を作る理由なのだろう。野鳥情報もこれに非常に似ていると思うのだが如何だろう?
やはり自分の足で探して偶然遭遇できた希少野鳥は、人に訊いて足を運んで当たり前の様に撮れる場合と異なり、喜びも数倍違うような気がする。今回のイスカがそれだった。
男体山の頂上付近は樹氷と積雪で気温も相当低い様だ。
戦場ヶ原にはまだほとんど野鳥の姿は見えない。
湯の湖はまだ80%以上が氷結している。カワアイサが8羽いた。
数名のバーダーがレンズを向けているのに遭遇。エリア的には道路の両端に白線のない交通量の少ない場所。傍へ行ってみて初めてイスカが来ているのを知った次第。
くちばしの先端が交差しているのがこの野鳥一番の特徴。
綺麗に合わさっていないくちばしの先端。
正面から視ると解り辛いかもしれない。
くちばしのクロス(交差)が見て取れる。
採餌中のくちばしにも注目。
まさに松かさをこじ開けて種子を取ろうとするイスカ。
イスカが食べているのはこのカラマツの実の種の部分。花びらにへばりついている少し肉厚の平たい種子が餌。此れをこじ開けて採りやすくするためにくちばしが交差しているようだ。