この撮影は今年の7月中旬だ。早朝雨が上がりアカショウビンの営巣を観察し、人吉に戻り官民一体の重要な打ち合わせを行い、午後2時過ぎに成って急遽県境エリアまで再度車を飛ばして今度はブッポウソウの観察に来たという忙しい一日だった。
大型の昆虫を咥えてブッポウソウの成鳥が身近の日陰に飛んで来て留まった。距離は40m程。車から出てはいたが迷彩服上下で木陰からそーっと望遠手持ちで狙った。もちろんブッポウソウからは丸見えだが脅威を感じさせないで済んだので飛去しなかったのだろう。野鳥観察に関してはこの点が一番大切な部分だ。
野鳥と目が合う合わないなどと言う単純な問題ではなく、脅威を与えるか否かで動きが変る。野鳥の先祖は恐竜だ、恐竜は動くモノは何でも食ってしまう。十年ほど前草食系男子、肉食系男子などメディアの間で変な分類が流行って居たが肉食系より更に強力な、恐竜系と言う男子も居たのをご存じだろうか?
どういう種族なのか、想像は簡単だろう?そう、貴方のその想像で間違っていない。
さて、その大型昆虫を咥えたブッポウソウは、まず300mほど離れた杉の木のてっぺんのもう一羽にその餌を与えたが、求愛給餌の様に見えたその行為の後、餌を貰った方が餌を食べずに咥えたまま飛び立って低い位置の木影に消えた。
これはひょっとすると、巣立った幼鳥が低い位置で餌を待っていて、親鳥から給餌を受けたのかもしれない。しかしそうなら最初の親鳥が何故直接幼鳥に与えないのだろう?つがい間の給餌が親から子への給餌へ途中で変化したのかもしれない。
筆者の方へ餌を咥えたブッポウソウが飛んできた。
クマゼミなのか?大型の昆虫を咥えていた。
餌を咥えて300m程飛行して仲間の所へ・・・。
左が飛んで行った餌を咥えたブッポウソウ。
左の餌を持ってきた方がまだ餌を咥えている。
まさに給餌受け渡しの瞬間!
貰った方は餌の大きさに驚いたのか、右は何度も咥えなおしていた。
当然食べるのかと思いきや、食べずに咥えたままだった。
幼鳥の声でも聴こえたのだろうか?二羽揃って同じ方角に耳を傾ける?
貰った餌を咥えたまま更に別の所へ飛んでいくもう一羽のブッポウソウ。