7時間弱の画像はまだ全部を完全に精査していないが、ヤマセミの繁殖と比べてみるとその差異が非常に良く判った。大きく異なる点は次の点だ。
① 巣のヒナに対する給餌頻度がアカショウビンはヤマセミよりはるかに多い。この理由はその餌の大きさによるものと想像する。特に球磨川流域のヤマセミは全国でも最大級の魚をヒナに与える為、ヒナ一匹に対し1日1~2匹で充分事足りているが、アカショウビンの場合は小さな沢蟹だったり、山奥の渓流の小さなカエルだったりトカゲなので餌が小さく、何度も運ぶ必要があると察する。 その代わり、営巣木は沢の渓流の傍が多いので採餌場所と巣穴はそう大した距離ではない為、こまめに給餌往復をしていると思われた。
ハイビジョンVTRとはいえ、静止画のシャッタースピードに換算すればせいぜい1/100のスピードなので、どう頑張ってもデジタル一眼の撮影には敵わない。しかし生態観察・記録用にはこれで充分目的は達成できる。
② ヤマセミのヒナの排泄物は袋状の外皮に入って居る為、親がそれを咥えて飛び出す際に巣の穴外に捨てる。これはシジュウカラやウグイス等と同じだ。我が家で昨年掛けた巣箱の下の地面は捨てられたシジュウカラの糞で白くなり巣立ち直前は毎朝掃除をしたほどだった。
これに対しアカショウビンは雛が巣穴の外に向けお尻を向け、豪快にピューッとやらかす。今回この動画が数回撮影されていた。このピーッ!という排泄はヤマセミの成鳥が川でよくやるのと全く同じで笑ってしまった。
ヒナがお尻を穴の外に向けてピッ!と排泄をした瞬間。豪快だ!
③ これはまだ精査できていないが、餌を持って来る際の親鳥が雛を呼ぶ鳴き声が2種類あるように思える。これはいつものヒュルルルル⤵と消え行くような独特の情けない鳴き声とは違い、ピッ!ピッ!と歯切れの良い鳴き声やカッカッという音が入るのだが、これは留まっている木の枝をあの赤い大きなくちばしで叩いているのかもしれない。いずれにせよ巣穴の正面に餌を咥えて留まっている姿は刺激しない様に静止画も動画も撮影出来ていないので致し方ない。
巣穴の正面の枝に行く前の数か所の枝に留まった静止画象。この段階では巣の様子見だけで、鳴き声は上げていない。音もなく飛んでくるので非常に静かなものだ。
また是非来年4Kビデオで無人探査にチャレンジしたいと思案中。今回まで4年チャレンジ(S氏の協力有っての事)してやっと初めて成就したのだから、今年出来なかった事を来年はチャレンジして更なる研究を試みたい。勿論S氏が再び協力してくれるという事が大前提なのだが・・・・。