結局現在、10箇所の営巣地を観察しながら、そのうち今年は6箇所での繁殖状況を観察、撮影出来ている。人吉エリアで7名の方々の情報、さらには車で巡回中お会いした近所にお住まいの20名以上の方々からの情報・案内でヤマセミの生態・行動などが見えてきて、大変助かっている。もう感謝・感謝の状況だ。まさに今進めている「ヤマセミと人間の共創」という研究課題に力強い状況となっている。
今まで、「こうだろう、こうにちがいない」という推察・想像の域を脱していなかったヤマセミの知られざる生態・行動が、だんだん判って来るにつれ、何故ヤマセミが増えないのだろう?という基本的な問いに対する答えがおぼろげながら見えてきたのも、今年の大きな収穫だと感じている。
2年前自費出版したヤマセミの生態写真集の後ろのほうに繁殖スケジュール(予想)を掲載した。しかし、今年はそれが場所により1ヶ月以上のズレが生じている。極端な場合はある家族は巣立ちが終わっているのに、別の家族はまだ抱卵前だったりする。この時間差が何によるものかは全然判っていないが、冬の気温なのか、春先の気温上昇の異変によるものなのか・・・。何処まで突き詰めて行けるかは今後の課題となっている。
今回などは、滞在中にあるポイントでわざわざ筆者の到着を待っていて下さった方が居て、詳しい情報、生態等を伝授いただいた。もう感謝のしようもない。
いつもの所にいつもの雌が待っていてくれた。適当な距離で接するので逃げない。
毎回同じシルバーメタリックのレンタカーで、迷彩服を着たヒゲオヤジなので安心なのか?
カップルでくつろいでいる朝もある。
毎日土手を歩きヤマセミを観察される辻先生は、多分世界で一番数多くヤマセミに出遭っている人間だろう。先生も毎朝ほぼ同じ時間帯に同じ服装スタイルなので、ヤマセミのほうも完全に認識していて、此処まで寄ってもヤマセミは気にしない。でも20m以上は離れている。
対岸の樋門に留まったヤマセミ。車が4mの距離を通っても気にしない。
堤防から飛んでホバリング、気が進まないと堤防に戻ったりする。
向こうは公園で子供達が遊んで居たりする。
堤防沿いの手すりは絶好の採餌ポイントらしい。
この個体は魚の頭を前にして咥え、広い球磨川を横断して・・・。
人吉の中心部を背景に左岸の山の営巣地に消えていった。結構高い所を飛んでいく。
一方で、子育てが終わったのか、まだなのか?ホンの300m離れた場所では別のつがいがジャレあっていた。繁殖のペースは今年はバラバラだ。