2015年6月24日水曜日

ヤマセミの面白い生態発見! I found extraordinary custom of Crested kingfisher at Kuma-river.

 今回5月末、人吉に到着していつもの様に矢黒神社に詣でて撮影中の安全、ヤマセミ遭遇頻度の向上を祈願しいつもの撮影ポイントに行ったら何か景色が違う!今まで6年間必ず其処に存在していモノがないっ!実は今年の2月頃、ヤマセミが好んで留まっていた有名な球磨川の両岸に架かっていたワイヤー架線が撤去されてしまい、無くなってしまったのだ。

 この架線はヤマセミのみならず他の多くの野鳥たちにとっても非常に大切な存在だった。時には色々な野鳥が呉越同舟でこの架線上で休み、あるいは矢黒神社周辺を縄張りとしている3家族のヤマセミもお互い共通の羽根休め場として共有し、200m程の架線の両端に縄張りの違うヤマセミが羽休めをするという珍しい環境になっていた。昨年はこの架線の上でのヤマセミの交尾行動を撮影できたし人吉でヤマセミの生態を見守っている多くのメンバーの間でもシンボル的存在だった。

 しかし、今回それが無くなっていた。九電の管轄だとは聞いていたが、再度架け直す計画は無いらしい。大事な撮影ポイントが消失したと一時は関係者の間で落胆が広がり大騒ぎになりかけたものだった。今回も意気消沈して「まあなんとかヤマセミも、それなりに知恵を働かせて環境の変化に慣れ、知恵を働かせるだろう?」程度の淡い期待で観察に向かった。

 そこで見たモノは!もう感動以外の何物でもなかった!この発見はヤマセミの生態としての重要な項目の一つに加え、生態観察記録として発表する予定。

この架線は色々な野鳥達の共有の羽根休めポイントだった。時にはこういう鉢合わせも。

此処からの採餌ダイブは有名なパフォーマンスだった。

大雨でもつがいで羽根休めする姿が時折見られた。

その架線が無くなった今、なんと元・架線が在った高さまで飛んでホバリングをしていたのだ!

普通ヤマセミはせいぜい川の土手の高さでしかホバリンガをしない。

しかし、個々の個体は余程架線に慣れ切っていたのだろう。

逆に言えばその高さまで行かないといつもの調子が出ないのだろうと推察する。

どっち向きでも必ずその高さまで上がってホバリングしていた。

これには驚かされると同時に、環境というものは生態に大きな影響を与えるのだと思った。 

結局ダイブする瞬間の画像は架線があった時代とほとんど同じ絵になっている。

これは此処の個体だけの独特なのだろう、果たしてこのヤマセミの子孫達にこのDNAが伝わっているだろうか?