2021年7月7日水曜日

ヤマセミが通年つがいで過ごす証拠、月別画像 8月。 Evidence that the crested kingfisher spends with pair all year round, monthly image August.

  8月の南九州の気象の凄さ、気温の高さは東京に居てはまず判らないだろう。しかも人吉市の場合は盆地なので、昼夜の気温に非常に差がある。熊本市も盆地形状なのでこういった傾向が強いが、人吉盆地の場合はさらに強烈。

 したがって、人吉を流れる球磨川及びその支流域の日中はまずヤマセミには非常に遭遇出来にくい。ほとんど葉陰に入って羽休めをしているためだ。時折突然茂みから飛び出て水にダイブして涼むくらいだろう。ブッポウソウなども暑い日は大きな口を空けたりして涼んでいる様だ。

暑い日に口を開けて体温を下げるブッポウソウ。

 この8月という月は、ヤマセミにとって子育ても終わり幼鳥も自分で採餌できるようになるため、縄張り的に独立をする。時にはいつまでも両親と行動を共にして年を越す個体もいるようだが、普通は12月頃までにはつがいの相方を見つけ(時に相手を失くした自分の親だったりもする)翌年までには大体においてカップルが整う。

 こうして多いファミリーでは3~5羽の幼鳥が6~7月までに育つのに、10年間通って観察してヤマセミの個体数が一向に増えていない理由がまだ良く判らない。少なくとも毎回巡回する人吉市界隈でのファミリー(個体)数が増えたという実感はない。縄張り保持が非常に厳しい生態なので、新しいファミリーが新しい縄張りを形成すれば筆者にも判断が出来る。自然淘汰がもの凄いのか、奥地へ縄張りを広げているのか・・・。

120805川辺川

120805川辺川

 120805川辺川、オスが一度に二匹魚を獲ってきたが、求愛給餌の行為は無かった。オスはメスに一匹を分け与えもせず、一匹だけ持って飛び去った。残したもう1匹の魚は岩の向こう側にある為、その後メスが拾って食べたか否かが観察できなかった。

170803球磨川本流

120805球磨川本流 前がオス、後がメス。

120805川辺川

120805万江川

 2012年8月5日は終日人吉市街を巡回し、4本の河川でヤマセミに遭遇、そのうち三本の球磨川・支流部でつがいで居るヤマセミを収録できている。真夏の8月に三カ所のヤマセミがペアで居るという事は、ヤマセミが通年で一緒に生活していると判断して良いだろうと思う。