2018年5月21日月曜日

ヤマセミはカラスの怒りを買ってしまったようだ! Yamazemi (=Cested kingfisher) seems to have bought the crow's anger!!

 敗戦処理のつもりで今朝早く05:40にいつもの営巣場所へ車を付けて、ものの2分も経たないうち、我が車の目の前3mを地上すれすれに飛び抜けた白い野鳥が居た!ヤマセミだった。
 その瞬間全身の力が抜けいくのを感じた。昨日のあのヤマセミの巣立ちを見逃してしまったという追い詰められた感覚は何だったのだろう?もう昨夜は早々に人吉を離れようと宿舎の冷蔵庫の処分をしてしまった。

 今までの経験値で考えれば、どう見ても巣立ち完了で、「そして誰もいなくなった。」状態なのに、今朝になってみれば、ガンガンとヒナを呼ぶ親鳥の声が恨めしかった。
 おまけに、今日は二つ隣接した巣穴両方にヤマセミが出入りするなど、キツネにつままれた感じで朝の1時間の大イベントを撮影しまくったのだった。

 まだ画像を精査していないが、次のような事が考えられる。

① 2つの接近した巣穴は奥で繋がっている?

② 隣り合った2つの巣穴で2組のヤマセミが営巣している?

③ 観察中のヤマセミは初めての繁殖でドジの連続、パニックに成りやすい親なのでは。

 この内①はその巣穴の位置からして奥で繋げるほどの高度な土木技術をヤマセミが持っているかどうか怪しいので、まず無いと考えている。今後画像を精査しなければ判らないが、右の穴に入って左から出てきた…というようなケースは今のところ無いと思われる。

 2組のヤマセミが隣接した巣穴で営巣している・・・は、十分に考えられる。というのも、このエリアで盛んにヤマセミ同士のチェイスが頻繁に起こり、間近に別のヤマセミファミリーがいるとは思っていたのだ。二羽の親が揃って監視台の上で監視中に、間近の森でヤマセミのけたたましい鳴き声、警戒声が幾度も聞こえている。

 ③の新米夫婦の初繁殖のケースは一番近いと思っている。幾度も人気のない?隣の巣穴に入り込もうとして入り口で???状態になるメスの画像を幾度も撮影している。同時に普通は巣穴の正面に監視台を決めて、ヒナが大きくなるにつれ正面で親の姿を見せて巣立ちを促すのがいつものパターンなのだが、今回の山奥の場所には残念ながらそういう正面に良い監視台が無いのだ。高い樹木の上から斜めに見下ろす感じなので、常時ヒナの状況を監視できないのだ。

 さらに条件の悪い事に、その監視台の後ろにカラスが営巣始めてしまったのだ。カラスは御存じのようにヤマセミは大嫌いな相手。その背後の脅威におびえながら、ついつい巣穴を間違えて何度も入っているのではないかと思うが、今朝は続けて4回も入り込んだので今度は筆者の方が???状態だ。初めてのヒナの巣立ちが遅れてパニック状態になっているのかもしれない、昨日の筆者と同じかも?

 このブログでも今回幾度かレポートした「スローシャッターでの流し撮り」を連日練習してきた成果が此処で実を結んだ!
 背後のカラスの何か気に障ることをしたか言ったのだろう、猛然とカラスに追われるヤマセミを流し撮りで撮れた!

 こんな画像、誰も評価できないだろうと思う。ヤマセミがカラスに追われる場面に遭遇するチャンスと、それを撮れるチャンスと、なおかつカメラを流し撮りにセット出来ている好条件はそうおいそれとはないと思うから。ちょっと意地悪だが、良く在る写真コンテストの審査員さん達に評価させてみたいと思う。生態記録の撮影だからこそ、こういった偶然に遭遇できるのだと思う。




ヤマセミとカラスの大きさが此処まで違うとは思わなかった。

普段、川の上であれば、遁の術(すいとんの術)で180度ターンして逃げられるのだが、陸の上では出来ないので脅威は増す。今日は何とか逃げ切ったが、生涯カラスの脅威は付いて回るのだろう。