2018年5月9日水曜日

ヤマセミがヒヨドリを追い散らす理由! This is the reason why Crested kingfisher chase Brown-eared Bulbul.

 3日前発見したヤマセミの営巣ポイント!昨日は大雨の崖崩れが怖くて行けなかった球磨川支流域の山を少し奥へ登ったシラㇲの壁。のっぺりとした壁ではなく、幾層にも堆積した色々な時代の跡が見て取れる複雑な壁だった。しかも毎年少しづつ剥がれているのだろう、崖の麓部分にはシラスの壁が崩れた残骸が斜めに堆積している。

 崖には赤い部分もあってミネラルが豊富に含まれているようだ、白い部分には塩分があると見えカワラヒワその他いろいろな野鳥が飛来している。

 そんな中、今朝はヒヨドリのつがいと見える2羽が筆者が到着した早朝からこの壁にまとわりついていた。しかしヒヨドリはミネラルや塩分を採取に来ているのではなく、どうやら画像を視る限り巣の材料を採りに来ていたようだ。此処の枯れた植物がミネラルや塩分の影響で丈夫なのか、はたまたダニや害虫を寄せ付けない何かの成分が付いているのか判らないが、とにかく何度も何度も採集に来ていた。

 ところがその採取場所がいけない!ヤマセミの営巣中の巣穴の近辺なのだ。しばらくはじーっと見ていたヤマセミのメス、つまり母親だ、いきなり急降下してこのヒヨドリのつがいを追い始めた。パニックに陥った2羽のヒヨドリ!その様子をしっかりと撮影できたのは嬉しかった。ヤマセミの生態は餌を獲るときのダイブだけではないのだ。

 70m離れた車の中からこの面白い野鳥同士の闘い!大自然の営みを十分に観察させて頂いた。
シラスの壁に出ている草の根?だか枯れた茎の繊維質を咥えている。

営巣地点へ幾度も往復していたヒヨドリのつがい。

此の巣穴は過去のもので今年は使われていないが、すぐ傍に今年の巣穴があったのだ。

自分たちが一体どこで営巣材料を集めているのかまるで判っていないヒヨドリ。

じっと樹上からこのヒヨドリを視ていたヤマセミの母。

突然現れたと思ったのだろう、ヒヨドリはパニック状態!

ヒヨドリの一羽はすくんでしまって飛び立てない。

鋭い鳴き声を上げながらヒヨドリを追い回し続けるヤマセミの母だった。ただの営巣行為の観察と撮影に、意外な巣を守る親鳥の気性の激しさを垣間見た朝の6時間だった。