半月前、6月半ばの新聞記事に北海道で農業従事者が畑を荒らすタンチョウを空気銃で威嚇射撃したら脚に当たり、病院へ移送中死亡した・・とのニュースが載った。
https://news.yahoo.co.jp/articles/08bc6de7f831c9faf3e0d7d9679b55b210158e76
一部のメディアは「天然記念物を射殺した」と事実と違ういかにも残虐に殺したようなニュアンスで報道した社もあったが間違いだ。事情を良く精査もせずに報道する相も変わらず無責任な報道だった。
しかし、このタンチョウが保護の結果増えすぎて問題化している事は事実。2017年に根室に行った際に北海道における野鳥関係の専門家に教わって知っていた。その有識者・専門家は「メディアの報道の方向性が保護し増やすことは良い事だ・・ばかりを報道し、増えた結果どういう弊害が生まれているかまでは調べようともせず、問題提起もしようとしない」と憂えておられた。まさに今回その危惧が当たった訳だ。予言者と言って良い。
こう書かれているだけで、30年近く何もされてこなかった結果が今回の悲劇に繋がっているのだろう。空気銃を使って威嚇し、追い払おうとした農業関係者を責めてはいけない。広い北海道だもの、黙って死んでしまったタンチョウを穴掘って埋めてしまえば判らない。
しかし彼は警察に連絡し、傷ついたタンチョウを病院へ運ぼうとした。しかし不幸にもタンチョウは傷が深くて死んでしまった。ある意味数が増えすぎたがための淘汰と言っても過言ではなかろう。これをメディアがどのように今後報ずるかが見ものだ。
絶滅しそうな種を保護をして増やそうとする事象だけ「良い事」として報道するものの、それがうまくいって、逆に増えた場合の事を予想もせず対処もしない保護活動・保護団体の在り方・考え方、メディアの報道の仕方、大いに反省すべき点が多い事件だったと思う。
7年前、北海道道東へ行った際に出遭ったタンチョウの有様を撮影していたので、それをご紹介したい。まさに牧場・農場に入り込み、牛の飼料を狙っている様を撮影していた。