2021年7月5日月曜日

北海道のタンチョウが保護活動の結果増えすぎて有害鳥獣化! After conservation activities, the red-crowned cranes in Hokkaido has turned into harmful birds and beasts!

  半月前、6月半ばの新聞記事に北海道で農業従事者が畑を荒らすタンチョウを空気銃で威嚇射撃したら脚に当たり、病院へ移送中死亡した・・とのニュースが載った。

https://news.yahoo.co.jp/articles/08bc6de7f831c9faf3e0d7d9679b55b210158e76

 一部のメディアは「天然記念物を射殺した」と事実と違ういかにも残虐に殺したようなニュアンスで報道した社もあったが間違いだ。事情を良く精査もせずに報道する相も変わらず無責任な報道だった。

 しかし、このタンチョウが保護の結果増えすぎて問題化している事は事実。2017年に根室に行った際に北海道における野鳥関係の専門家に教わって知っていた。その有識者・専門家は「メディアの報道の方向性が保護し増やすことは良い事だ・・ばかりを報道し、増えた結果どういう弊害が生まれているかまでは調べようともせず、問題提起もしようとしない」と憂えておられた。まさに今回その危惧が当たった訳だ。予言者と言って良い。

保護下に在ったタンチョウは近年爆発的に繁殖し数を増やした。

ここ10年は釧路の鶴居村へ行かずとも道東のJR沿線で頻繁に見られる。

 平成5年の環境庁のタンチョウ保護に関する文面にもこう記されているだけ。
※ (1) 農作物に対する被害防除対策 繁殖期に入っても給餌場付近に残留する若鳥群による農作物の被害が生じて いるため、追い払い、自然採餌地への分散の促進等の被害防除策を検討し、適 切な対策を講ずる。

 こう書かれているだけで、30年近く何もされてこなかった結果が今回の悲劇に繋がっているのだろう。空気銃を使って威嚇し、追い払おうとした農業関係者を責めてはいけない。広い北海道だもの、黙って死んでしまったタンチョウを穴掘って埋めてしまえば判らない。

 しかし彼は警察に連絡し、傷ついたタンチョウを病院へ運ぼうとした。しかし不幸にもタンチョウは傷が深くて死んでしまった。ある意味数が増えすぎたがための淘汰と言っても過言ではなかろう。これをメディアがどのように今後報ずるかが見ものだ。

 絶滅しそうな種を保護をして増やそうとする事象だけ「良い事」として報道するものの、それがうまくいって、逆に増えた場合の事を予想もせず対処もしない保護活動・保護団体の在り方・考え方、メディアの報道の仕方、大いに反省すべき点が多い事件だったと思う。

 7年前、北海道道東へ行った際に出遭ったタンチョウの有様を撮影していたので、それをご紹介したい。まさに牧場・農場に入り込み、牛の飼料を狙っている様を撮影していた。

最初は牛から離れていたタンチョウ二羽だが、どんどん牛の方へ進んでいった。






臆することなく牛の傍まで行って干し草の辺りをうろついている。

 今回の空気銃発砲によるタンチョウ死亡事故を単発事件で終わらせず環境省も本気で対策に本腰を上げるべきだろう。
 地元釧路市も観光資源としてただ増えればいいという事から、増やすだけだった今迄から、国と協力してコントロールする責任を果たすべきでは無いだろうか?