2014年10月2日木曜日

逆光でヤマセミを撮影すると・・・。 When taking a picture of the crested kingfisher by the backlight.

 ヤマセミは谷深い山奥で撮影する場合が多いとは思うが、球磨川流域、川辺川流域では川幅が広いところでの撮影が多いため直射日光の下での撮影チャンスが多い。氷川の立神峡などでは切り立った岸壁に挟まれて直射日光は入らないが、熊本県南に在ってはむしろ特異なケースになると思う。正直、2010年以来ヤマセミを撮影してきて明るめの曇天の日が一番撮影はし易い。もちろん雨が降るより、晴れている方が有り難いのだが直射日光の鋭い日は意外に撮影が難しいのだ。

 理由はヤマセミのその白さにある。何度もこのブログで述べて来た事だが、自然界の色には多かれ少なかれ蛍光色が入っている。植物の綺麗な花びら・額などには最も多く含まれていると言って間違いない。白系の野鳥の白い羽根にももちろん含まれている。だから絵に描いた自然物が色の面で本物にかなわないのは、これが理由であると思って良い。これは自分が美術畑出身で何度も油絵や水彩画を描いてきてそう感ずる。絵そのものが下手であると言うのはもちろん別の理由だが。(汗)

 結論から述べよう。ヤマセミを撮影する時は、オートのマークで撮影しない方が良い結果を得られる。筆者は経験値を頭に入れながらつまりマニュアルで順光時にはアンダー目、逆光時にはオーバー目で撮影している。絞り優先でも、シャッタースピード優先でもなくマニュアルで撮っている。留まっているヤマセミを撮る場合はこの限りではないが、ヤマセミの次の行動を予測するのは数年観察しないと難しいのではないだろうか?

 高いハイエンドのカメラであればあるほど、詳細な設定が可能だがヤマセミの動き・撮影条件などの急変に対応出来るほど筆者は頭が良くない。したがって、どうしてもマニュアルで光と行動を見て即応する癖が付いてしまった。以前いくつかのパターンに分けてカスタム設定をしたが、事実上対応できなかった。

 他の野鳥同様に早朝が撮影のビッグチャンスであるヤマセミは、この生息領域の水辺という条件が更なる難題として加わる。単なる逆光状況に加えて、水面の反射光、波による直射日光の照り返しなどで太陽に向かって撮らねば成らない場合は非常に苦労する。特に早朝太陽が低い位置にある場合などは特に難しく撮影者泣かせとなる。したがって撮影の場所決めは事前の調査が不可欠と成る、さっと行って、さっと撮るわけには行かないのだ。逆光でさざ波が立つ中、ごま塩・斑模様のヤマセミを撮影するのは超難しい!今後の精進でいつかモノにしてみたい。






明日の順光パターン例と比べて頂けると嬉しい。