2016年9月11日日曜日

団塊世代の男の子は皆ギンヤンマを追いかけて育った。 The Baby-boomer ran after Lesser Emperor,and grew up with.

  戦後まもなくに生まれた、いわゆる団塊世代の我々はテレビもなければ、スマホもなかった。遊ぶのは何もなかった部屋の中ではなく屋外にきまっていた。毎朝のラジオ体操に始まり、海水浴、魚釣りにセミ、トンボ獲りが夏休みのお約束だった。

 そのトンボには勿論獲った際の威張れるランク付けがあった。第1位は断トツでオニヤンマだったが、飛ぶのは朝夕に限り、子供の届かない高い所を飛ぶので滅多な事では補虫網で獲れなかった。鳥もちを塗った竹竿では更に難しかった。獲れたりすれば、学校でも近所でも1か月ほどはヒーローだった。

 第2位にランクされるのが、今日の主役ギンヤンマ。オスは胴体の付け根がきれいな空色でカッコ良いとされた。主に川や沼、池の上を飛行し、陸の上を飛ぶ場合は非常に高速で飛んだ。子供たちの手の届く最高の獲物がこのギンヤンマだった。胴の青いオスを「ギン」青くないメスを「チャン」と呼んでメスの評価はオスに比べて低かった。

 しかし最近、東京近郊ではこのギンヤンマを見かけることは非常にまれになった。オニヤンマが割に良く観られるのに比べ、ギンヤンマの数は少ないと思う。
 ちなみに筆者が育った北九州の小倉市(当時)では、第3位が電気トンボと言われたコシアキトンボ。このトンボはとにかく同じ場所を行ったり来たり飛びっぱなしで、なかなか留まらない。目の前にいるのだが捕まえられない意味でランキングは高かった。

 シオカラトンボやムギワラトンボは「並」の扱い、赤とんぼに至っては「成果」としてカウントされなかったりした。子供たちはある面残酷なランキング、自分たちのかかわる世界で価値感の上下を自然に決めていたのだ。

 今回のギンヤンマは熊本県球磨郡相良村の深水湿原(ふかみ)の中央部の池で撮影したもの。
他のヤンマが近づくと猛烈なアタックをかけ追い払っていた。






オニヤンマなどに比べると尾っぽが短い気がする。ゼロ戦みたいなイメージか?


熊本県球磨郡相良村の深水湿原(ふかみしつげん)八丁トンボもいることになっているが、普段ほとんど人が立ち入らないため、マムシなどが居そうだ。