2016年1月31日日曜日

野鳥は力む時、瞬膜が閉じるのだ! Wild birds close the eyelids called nictitating membrane when power enters.

 スティーブン・セーガルという日本通のアメリカ人俳優が主演の映画「沈黙の激突」だったか定かではないが、普通の眼の瞼以外に眼の横から瞼が襖が閉まるように閉じるSF的な人間との戦いがあった。
 その瞼が横から閉まるってのが、まさに今日の話。瞼が閉まると眼が真白くなるのはカワガラスだが、カワセミもヤマセミも、何らかの力が入る時に瞬膜が横から出てきて閉まるようだ。これは結構頻繁に閉まるので、撮影していて白目を向いた画像が数多く撮影されている。

 それを見た瞬間は不気味で、本当にコイツ地球上の生き物だろうか?と思ったりもするが、歴然とした人気の野鳥なのだから面白い。
 今までの撮影データによると、採餌した獲物を岩なり木の枝に打ち付けて骨を砕き飲み込みやすくする際や、交尾の瞬間、もの凄い争いの最中、ペリットを吐き出す瞬間などやはり気合を入れたり、思わず力んだ瞬間に瞬膜が閉じている。多分水中にダイブした瞬間、水の中でも閉じているのだろう。画像を見る限り水から上がった瞬間は閉じていることが多い。

 雨の上がった土曜日は大学へ提出するヤマセミの生態レポートの論文用にパソコンの中の各生態別に撮り溜めた画像を分類してあるホルダーから選別した。その中に自分が撮影したのではなく熊本県内でヤマセミの生態観察に協力して頂いている方が撮影した画像に素晴らしいのがあったので今日はそれをご紹介したい。

この正月、雪の降った翌日三鷹の野川で撮影したもの、大物を捕らえて枝に打ち付けている。獲物を打ちつけた瞬間に獲物のウロコや木片が大切な目に入り傷つけない為なのかどうかは判らないが、結果的にはそういう効果もあるのだろうと推察できる。

2014年、熊本県芦北にお住まいの濱崎氏がハイドから間近で撮影したもの。瞬膜が完全に閉まりきっていないが、逆に瞬膜の存在が理解しやすい貴重な画像。意外に瞬膜が厚いもので在る事が見て取れる。

2014年人吉市で交尾中のヤマセミj、上のオスも下のメスも瞬膜が閉じているまさに瞬間。これが交尾が練習中だったり不成功に終わる場合、瞬膜は閉じないことが多い。